「農民」記事データベース20161219-1243-10

宮城県の沿岸部で復興支援

県災対連と土建板橋(東京)


テーブル囲んで食事も楽しく
声をかけあい、会話ははずむ

 石巻市
 復興住宅に多い高齢者の間で

 11月22日の福島沖地震で、東日本大震災以来最大の津波が襲来し緊張が走った宮城県の沿岸部で復興支援の取り組みが行われました。

 26日は石巻市の渡波復興団地に隣接する公園で居住者を対象に「交流いも煮会」を開催。農民連も加わる宮城災対連と東京土建一般労組板橋支部(土建板橋)が取り組みました。復興住宅の住民は高齢者が多く、生活面での大変さに加えて市内各地から入居しているため、隣近所のつながりが薄く、人間関係にも不安を抱いている方が少なくありません。そこで地域のコミュニティーづくりの一助にと企画されたもの。

 訪れた250人ほどの入居者や住民に山形・庄内産直センターの「いも煮」、土建板橋のヤキソバ、つきたての餅などが提供され、入居者のみなさんはテーブルを囲み、“あんたもここさ入ってたのか〜”“しばらくだねえ〜”などと声を掛け合い、食事を楽しんでいました。農民連は各地から送られた米とみかんを手渡し、土建板橋の大工さんがその場で作ったイス30個あまりが入居者に手渡されました。

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土建板橋の大工さんがつくったイスが提供されました(石巻市)

 自治会長の佐立昭さんは「みなさんはやっと公営住宅に入れてほっとしてますが、コミュニケーションは不十分です。これからもいも煮会などを行ってゆきたい。今日はみなさん喜んでいました」とお礼の言葉を語りました。

支援届かぬ在宅避難の人たち
もちつき・甘酒、包丁とぎも…

 東松島市
 集会場に集まり おしゃべりの輪

 翌27日、東松島市の平岡地区で農民連と土建板橋が協力し復興支援活動。この地区は津波で大きな被害を受けましたが、家を修復や再建をして、居住する人も少なくありません。親せき宅に身を寄せるなどして仮設住宅には入らずにがんばった人もいます。こうした在宅の被災者には行政も民間の支援も手が届いていないのが実情です。

 自治会長の田中健治さんは「震災前は秋祭りで餅つきをやっていたが、今はそれも…」の声に応えて6臼分の餅つきをメーンにヤキソバや甘酒などを準備。お米とみかんを配布し、包丁とぎなどのサービスもありました。

 会場の集会場には時間前から住民が集まり、餅等を受け取り、集会場の中でにぎやかにおしゃべりをしながら食事を楽しんでいました。平岡武一さん(68)は、「家を修復して戻ったが、ここには支援はめったにこない。家は自分のものでも大変なのは一緒。目を向けてくれてありがたい。自分も規模は小さいが、ナスを作って市場に出している。まだまだがんばりたい」と語りました。

 浜の昼食会
 心づくしの料理 “これが楽しみ”

 2日間の行動を終えて、参加者は移築した旧農民連食品分析センターの建物で、昼食交流会を行いました。漁師の方々が用意したカニやカキなどとれたてで心づくしの浜の料理が並び、参加者からは「なんたって、これがいいんだよな〜」の声も。

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心づくしの浜料理で昼食交流会(東松島市)

 土建板橋は今回で18回目で21人が参加。福地孝志委員長は「復興までまだまだ続ける」と話していました。

(農民連参与 横山昭三)

(新聞「農民」2016.12.19付)
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2016年12月

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