国会前
数の暴力に怒り渦巻く
TPPを葬り去ろう!
12月9日、参議院特別委員会と本会議でTPP批准、関連法案の採決が与党の数の暴力で強行されました。
「TPPを批准させない! 全国共同行動」は朝から国会前の抗議の座り込み行動を行いました。元外務省局長の孫崎亨(うける)さんも駆けつけ、「安倍政権が進める悪法の中で一番ひどいのがTPPだ」と指摘。「発効の見込みがないのに批准をするなど、ありえないことを強行する、いまの政治の異常さを多くの人に伝え、政治を変える運動を広げよう」と呼びかけました。
「TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」の醍醐聰さん(東京大学名誉教授)は「『息を吐くようにうそをつかれたのではやっていられない』と言う声に全面的に同意だ。居直ってうその答弁をされては有権者はやっていられない」と厳しく糾弾しました。
午前の特別委員会で採決が強行されました。参議院議員会館前では、参加者は懸命に「採決させない」「野党はがんばれ」とコールを行いました。
委員会採決を傍聴した農民連の吉川利明事務局長もマイクを握りました。「安倍首相が『牛肉、オレンジの自由化でもミカン農家は壊滅していない』と答弁したが怒り心頭だ。全く現実を見ていない。360万トンあった生産量が今は70万トンほどしかない。これで残ったとはよく言う。輸入の果物より少ないのが現実だ」と怒りで手を震わせながらスピーチしました。
千葉県農民連の大木傳一郎会長も「本当に悔しい。すべてが真逆だ。国民が嫌がることを進める。狂った政治が行われているといっても過言ではない。農家、国民の気持ちに反する政治をうそとごまかしで進める。絶対に許せない。これからも農業を守るために全力でたたかい続けたい」と訴えました。
午後の本会議で自民党、公明党、維新の会、日本のこころは、数の力で成立をさせました。公約で「TPP断固反対」とうたったにもかかわらず、すべての自民党議員が賛成票を投じ、公約も国会決議も踏みにじる暴挙です。
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本会議での採決後、怒りの声を上げる参加者 |
農民連青年部の渡辺信嗣事務局長は本会議の傍聴報告で「国民の声を無視したこんな暴挙は絶対に許せない。発効阻止・TPP離脱のために全力を尽くす」と決意を表明し「一緒にがんばりましょう」と参加者に呼びかけました。
(新聞「農民」2016.12.19付)
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