TPPきっぱり廃案に
批准に固執する安倍政権
関連/発効見込みなし、必ず阻止
トランプ米次期大統領2国間協議狙う
日本に新たな譲歩迫るのは必至
自民、公明の与党と維新は、TPP批准案と関連法案、年金カット法案を成立させるために臨時国会の12月14日までの延長を国民世論を無視して強行しました。
TPP審議は延長国会に入り、1日から連日委員会が開催され、8日に委員会採決、9日に本会議での採決強行がねらわれています。
アメリカのトランプ次期大統領が、「TPPからの離脱」を宣言してもなおTPP批准に固執する安倍政権の姿勢は、世界からみても極めて異常です。
TPP協定の国会承認は、「再協議・見直し条項」を含むTPP水準を国会の名によって国際公約することにほかなりません。トランプ氏はTPPに替えて2国間協議をめざすとしており、安倍首相がアメリカを含むTPPにこだわればこだわるほど、新たな譲歩を迫られるのは必至です。
国会決議にも公約にも反し、しかも衆議院の審議では国会のルールを踏みにじって強行採決で通過させたTPP。参議院の審議でも政府は情報を公開しないまま、しゃにむに採決に向けて暴走しています。TPP案件は、きっぱり廃案にすべきです。
全国食健連は、7日のグリーンウエーブ集結行動の成功とあわせて、「TPPを批准させない!全国共同行動」が取り組む8、9両日の国会前座り込み行動・議員要請行動に全国からの総結集を呼びかけています。
TPP批准 なんとしても阻止
連日 抗議の共同行動
臨時国会の延長が強行された11月30日。「TPP批准させない! 全国共同行動」の水曜日行動が取り組まれました。日本共産党の田村智子参院議員が参加し、あいさつしました。
全大阪消費者団体連絡会の飯田秀男事務局長は、「暴走続ける内閣の大罪を断罪する機会を早くつくらなければならない。大阪の地でも頑張りたい」と訴えました。
農民連からは青年部の渡辺信嗣事務局長がスピーチ。「守るべき国益が何か、農水大臣が答弁で全く答えられない。中身も建前すらもボロボロのTPPを強行するなど農家をバカにする行為だ。何としても止めよう」と訴えました。
12月1、2の両日も参議院議員会館前で抗議行動が行われました。
1日は、参加者全員がリレートークで発言。「年金改悪反対の集会で、TPPがどれほど恐ろしいものかという訴えを聞き、いてもたってもいられず参加した。多くの人に訴えたい」「TPPと規制改革推進会議の提言はつながっている。どちらも葬り去ろう」などの訴えがありました。
日本共産党の辰巳孝太郎参院議員と民進党の福島伸享衆院議員が激励しました。
2日の行動では、日本共産党の畠山和也衆院議員と吉良よし子参院議員が国会報告を行いました。
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連日、議員会館前に集まり抗議の声を上げました(12月2日) |
山田正彦弁護士が「本当の山場に来ている。私たちの思いを国会に届けなければいけない。一緒にがんばろう」呼びかけました。
最後に山場となる5日から9日まで連日の行動提起が行われ、TPP阻止の決意を固め合いました。
国会延長、続く強行採決に怒り
東京で宣伝
「TPP批准させない! 全国共同行動」は11月30日、東京・有楽町駅前で街頭宣伝を行いました。
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東京・有楽町駅前でチラシを手に通行人に批准阻止を訴える参加者(11月30日) |
農民連からは吉川利明事務局長がマイクを握り、「政府与党は、野党の反対を押し切って、国会の会期を14日まで延長することを決めた。悪法を通すための会期延長など言語道断だ」と指摘。「発効の見込みのないTPPを批准することは、今後の日米2国間交渉が行われれば、譲歩に次ぐ譲歩を重ねたTPPのラインから始まるのを認めることになり、批准阻止のため最後までがんばろう」と訴えました。
「TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」の醍醐聰東京大学名誉教授は「稲田朋美防衛大臣は『TPPのバスの行き先は日本の文化の墓場』と言ったが、バスの行き先は変わっていない」と批判しました。
また全農協労連の砂山太一委員長も発言。「議長や委員長の職権乱用による国会の延長や相次ぐ強行採決など、国民の意思を無視した暴挙を許すわけにはいかない」と告発。「誰でも安全な食料を得ることができることが、何よりも大切だ」と訴えました。
1時間ほどの宣伝でチラシが300部ほど配布され、関心の高まりを示しました。
(新聞「農民」2016.12.12付)
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