「農民」記事データベース20161128-1240-02

公述人から異論噴出――

TPPは地域と農業を破壊する

TPP審議は参議院へ

関連/TPP批准を強行するな


帯広市(北海道)と水戸市(茨城)で地方公聴会
茨城農民連会長 岡野忠さんが公述人に

 TPP承認案・関連法案を審議する参院TPP特別委員会は11月17日、北海道帯広市と茨城県水戸市で地方公聴会を開きました。

 帯広市では、北海道大学大学院の東山寛准教授が、政府によるTPP影響試算の不十分さを指摘し、地域経済崩壊の恐れを告発しました。

 水戸市では、茨城農民連の岡野忠会長が、県が示した影響額を示し、「農林水産物合計で年720億5000万円の減益になる。TPPは絶対に批准するべきではない」と述べました。

会場前で怒りの抗議行動

 各公聴会会場前では、抗議行動が取り組まれました。

 帯広では、約30人がプラカードや横断幕を掲げ、農民連十勝地区協議会の阿保静夫議長は「一部の企業のために批准するな」と訴えました。最後に、北海道農民連の野呂光夫書記長が「ストップ・ストップTPP」とコールをあげました。

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帯広

 水戸では、茨城農民連をはじめ各団体や市民がかけつけ、50人余が「国会批准絶対反対!」「STOP TPP」などののぼり旗やプラカードを掲げました。「TPPは売国条約」「今すぐ撤退せよ」とコールして、通行人らにアピールしました。

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水戸


TPP批准を強行するな

国会前 緊急の座り込み行動

 アメリカ大統領選挙で「TPP離脱」を掲げたトランプ氏が当選し、TPPが発効しない可能性がますます強まる一方、安倍政権は参議院でのTPPの審議を強行。緊迫した国会情勢がつづくなか、全国食健連、中央社保協、国民大運動実行委員会、消費税廃止各界連は11月16日も、国会前での座り込み行動に取り組みました。

 日本共産党の畠山和也衆院議員が朝一番にかけつけ、国会報告。農民連の白石淳一会長が主催者あいさつし、「TPP参加各国も批准に慎重になっているなかで、安倍政権はまるで大海を一人漂流する難破船のようだ。安倍政権はトランプ氏を説得するのではなく、きっぱり撤退するべき。TPPは関連法がセットで批准となるが、関連法案に自然成立はない。必ず廃案に追い込んでいこう」と呼びかけました。

 この日は、地方からも多くの参加者がかけつけました。

 青森県農民連会長の森淳一さんは、「緊迫した情勢に、いてもたってもいられない思いでここに来た。安倍首相に言いたい。“どうして日本の農民に作らせないんだ!!”と。アメリカでは需要がないような農産物が、日本に輸入されている。この悔しさがわかるか。地域から声を上げていきたい」と力強く訴えました。

 長野県農民連会長の竹上一彦さんも駆けつけました。集落の80代の農家が次世代から営農を断られた話を紹介しつつ、「本来、日本は自然資源の豊かな国だが、輸入自由化で森林も荒れた。TPPでこれ以上ふるさとを荒らさせてはならない」と、呼びかけました。

 最後に、全国食健連の坂口正明事務局長が、全国食健連が12月7日まで全国で取り組んでいるグリーンウエーブの取り組み強化を訴えました。

(新聞「農民」2016.11.28付)
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2016年11月

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