旬の味
“今夜もまたてるてる坊主プラスワン”。わが家の軒下に並ぶ“てるてる坊主”。少し黄ばんだものがこの秋を物語っている。稲刈り時期というのに、雨、雨、雨…の毎日。晴れても3日と続かず田のぬかるみで稲刈り不能。刈り遅れの味の低下が気になるが、どうしようもない▼「よく降るなあ」と顔を見合わせればため息。野菜農家の知人は「まいた種代1万円、出芽したのは5〜6本、泣くに泣けない」とこぼす。「根腐れ起こしちゃってネ」と花農家の友人。自然と正面から向き合う農業の厳しさを改めて感じた今年の秋だ▼私は今日からかけ干し米の脱穀。ほこりにまみれながら、今年の秋は人間のおごり高ぶりに対する自然からの警告だったかもしれないなぁ〜と思いつつ、ふと西の空を見ると高くそびえる山に真っ赤に燃えながら沈んでいく太陽がとてもきれいだった▼「秋の夕焼けだ。晩ご飯の前にカマ磨こう」。今は亡き父の声がしたような気がする。“おいしいお米”づくりめざし、明日もがんばろう。 (え)
(新聞「農民」2016.11.21付)
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[2016年11月]
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