この人
イチゴ農家に嫁いで47年
竹村 はるみさん(69)
(奈良市・県農民連北和センター会員)
独自の栽培方法でおいしく
竹村はるみさん(69)は47年前に7年間勤めていた百貨店の経理業務を退職しイチゴ専業農家の竹村家に嫁ぎました。当時は、慣れない農作業で体を壊すことも。11月末から5月末のイチゴの出荷時期には、暖かいハウスと厳寒の外気温の中を往来して何度も肺炎になったそうです。
また、農作業だけでなく介護と育児も抱えるなか、「我慢が大事」と歯を食いしばって辛抱したそうです。今ではいつも笑顔のはるみさん。「辛抱したから今は何でも自由にできるの。お父ちゃんにも好きに意見を言ったり」と苦労話も明るく笑い飛ばします。畑から畑へ原付きバイクを飛ばして毎日走り回っています。
はるみさんと夫の一美さんご夫妻の畑は北ノ庄地区でも一目で分かる特徴があります。それは50センチを超すほどの高畝土耕栽培。たっぷりの土の中で植物の根はすくすく成長できるせいか、秋初旬の台風の影響も受けずに、大根も白菜も露地で元気に育っています。今年は研究会で取り入れた「ロメインレタス」も仲間入り。毎週土曜の朝市への出荷も楽しみです。
11月下旬のイチゴの出荷にむけて忙しい時期。今、イチゴ畑の畝にはマルチが美しく貼られています。竹村夫妻は忙しい時期でも奈良市や農協の研究グループで栽培について積極的に意見を交換し、各地の視察にも出かけ、様々な方向からの農業の研究に努めています。
稲わらを使った畝の管理、専門肥料を使い分けて育てるイチゴの育苗、そして高畝での栽培など、夫妻が築いてきた独自の栽培スタイルによって作られるおいしいイチゴや野菜たち。
今年もたくさんの消費者が心待ちにしています!!
(奈良県農民連北和センター 井上和恵)
(新聞「農民」2016.11.21付)
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