「農民」記事データベース20161114-1238-01

たたかいはこれから

TPP特別委
自・公・維新が強行採決

こんな暴挙は許せない!

関連/強行採決の現場から
  /あきらめるのはまだ早い


 11月4日、自民・公明・維新は、TPP承認案と関連法案を強行採決しました。国会内では民進・共産・自由・社民各党が猛然と抗議し、国会前では農民連を含む「TPPを批准させない!全国共同行動」 が終日、強行採決に反対する座り込み行動を展開。新潟、京都など全国各地でも抗議・宣伝行動が行われました。

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自民・公明・維新の議員が賛成(起立)するなか、委員長席に詰め寄り猛抗議する野党議員たち

 強行採決には、大島理森衆院議長が「決して平穏な状況の採決ではなかった」と批判し、自民党の佐藤勉衆院議院運営委員長が「なんで委員会を勝手に開くんだ」と怒りをあらわにするなど、与党内部でも批判が続出。「強行劇を首相官邸は静観した」(朝日)というよりも、むしろ官邸が歴史的な暴走をけしかけているという状況です。

 TPPは重大な局面を迎えましたが、あきらめるのはまだまだ早すぎます。

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国会の外では、強行採決に抗議する市民が大勢あつまり、怒りのコールを続けました

 衆議院本会議を通すな、参議院で甘利前TPP担当大臣の国会喚問を含む徹底審議を行え――全国から自民・公明・維新に対する抗議、野党への激励を集中し、宣伝・集会など、ありとあらゆる運動を強めるときです。


強行採決の現場から

農民連 吉川利明事務局長 傍聴ルポ

 11月4日午後4時26分、衆院TPP特別委員会でTPP承認案と関連法案が強行「採決」されました。

 超満員の傍聴席からは、「ひどいぞ〜」「ありえな〜い」「審議はまだ終わっていないぞ!」と怒りの声が飛び交い、国会衛視が「お座りください」「発言は禁止です」と制止に入るも、傍聴者の怒りは収まりません。

 野党議員が委員長席に駆け寄り、「こんなのだめだ」「委員長無理です」と採決を止めようとすると、与党・野党の議員たちが揉(も)みくちゃに。議場全体が騒然とし、傍聴者にも何がなんだかわからないうちに自民・公明・維新の議員が2度起立し、採決が行われました。

 「こんな理不尽な『採決』なんてありえない…」――国民の声にはいっさい耳を貸さない安倍政権の横暴を、目の当たりにし、怒りで体が震えました。

 ルール無視の連続

 4日は、ルール無視の連続でした。

 パリ協定の承認のため、午後1時から本会議が開催されるはずでした。議院運営委員会で山本農水大臣の「強行採択冗談」発言と委員長職権での委員会開催強行をめぐる調整が長引いていましたが、なんとその最中の1時10分、TPP特別委員会理事会が開催されました。本会議開催予定時間に理事会・委員会を開催することなど、前代未聞のルール違反です。

 にもかかわらず、塩谷立TPP特別委員長は、午後2時30分から委員会を強行開会。民進党・共産党が厳しく抗議し、質問を拒否するなか、両党の審議時間を「空回し」(質疑が行われないまま時計だけが進められること)。そして安倍補完政党「維新」の審議が終了すると質疑を打ち切り。自民・公明・維新の賛成討論後、民進・共産が強く抗議し、「場内騒然」「聴取不能」のなか、「強行採決」されました。

 このあおりで、結局4日は本会議も開かれずじまい。この日採決されるはずであった、世界が発効を歓迎し、日本も一刻も早い批准が求められている「パリ協定」は国会承認もせずに先送りする一方で、主要参加国が批准をためらい、破たんの可能性さえ指摘されはじめているTPP協定の批准はしゃにむに強行する安倍内閣。狂気の沙汰だと言わざるをえません。


あきらめるのはまだ早い

全国に怒りの声広がる

 TPP批准をめぐって国会情勢が緊迫するなか、全国各地でも「TPP批准するな!」という緊急の動きが広がっています。

 強行採決された4日の夕方には、さっそく新潟と京都で緊急の抗議行動が取り組まれました。

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京都・四条烏丸で

 「TPP参加阻止新潟県民共闘会議」は新潟駅で宣伝行動を行い、魚沼産コシヒカリの産地、十日町の農民連会員もムシロ旗を持ってかけつけました。

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新潟・新潟駅前で

 京都では「TPP参加反対京都ネットワーク」が四条烏丸で緊急抗議行動を行い、「TPPの内容も明らかにされず、まともな審議もされないままの強行採決は、二重三重に国民を裏切るものだ」との怒りの声をあげました。

(新聞「農民」2016.11.14付)
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2016年11月

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