輸入米価格偽装問題
税金での裏金づくりは
国家的犯罪
調査のデタラメぶりを徹底追及
農民連が農水省と2回目の交渉
農民連は10月21日、農水省が7日に公表した「輸入米に関する調査結果」を受けて、SBS(売買同時入札)輸入米の価格偽装についての2回目の交渉を国会内で行いました。
交渉を通じて、農水省が「調整金」の存在を認めながらも、その実態さえまったく把握していないにも関わらず、調査結果で「国産米価格に影響なし」としていることが明らかになりました。農民連は食糧法で報告・立ち入り検査が可能なことなどを明らかにし、厳しく追及しました。
取引の機微にふれる卸から先は調べない
「輸入米が実際にどこで、いくらで使われたのか」について、農水省は、「民間同士の取引」「商取引の機微に関わる」などとして肝心ことは調査できないと言明。農民、国民より業者の利益を優先する姿勢をあらわにしました。
また、調整金が「税法上は適切に処理されていた」などと説明。参加者からは「電話での聞き取り調査でなぜそこだけが分かるのか」との追及を受け、まともに答えることはできませんでした。
「裏金」の原資は税金(マークアップ)
農民連は、国が売渡予定価格を表向きは高めに設定しながら、実際は調整金名目の「裏金」が流れて取引されてきたことをそれを裏づける業界紙の資料も示して追及しました。
さらに、「この『裏金』は本来なら国が徴収するべき金額であり、国の歳入、予算に関わる大問題だ」と指摘。食糧法52条に基づく調査を実施すること、調整金の実態と国産米価格への影響の徹底的な解明を重ねて要求しました。
取引の機微も52条で当たり前に「報告」
食糧法52条では、主要食糧の出荷・販売業者、輸入・加工・製造業者に対して業務・資産の状況について報告をさせ、帳簿、書類の検査の実施などもできるとしています。決して法律違反を犯した業者を対象にしているわけではなく、「主要食糧の需給と価格の安定を図り、国民生活と国民経済の安定に資する」とする食糧法の目的達成のために実施するものです。現在も、一定規模以上の集出荷業者、販売業者に国産米の集荷・販売数量、相対取引価格、在庫数量など、民間業者の「商取引の機微に関わるもの」についても農水省が業者から報告させています。
輸入米の価格偽装問題の隠ぺいを許さず、食糧法に基づく徹底した調査の実施と真相の究明を求める声をさらに大きくすることが求められています。
(新聞「農民」2016.11.7付)
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