「農民」記事データベース20161031-1236-09

常任委員会からの報告
(要旨)


 臨時国会が始まりましたが、安倍政権の数のおごりと傲慢(ごうまん)さには目に余るものがあります。戦争法や沖縄、社会保障、憲法など、選挙ではダンマリで、選挙が終われば暴走を始める「だまし討ち」政治と、国民との矛盾はますます深まり、安倍暴走政治と各分野でのたたかいは激しさを増しています。

 参議院選挙で、32の全ての1人区で野党統一候補を擁立し、11選挙区で勝利したことは、画期的な成果であり、今後のたたかいの足場を築くものです。自民党が「重点区」と位置づけた1人区のほとんどで野党統一候補が勝利。東北・甲信越での野党統一候補の勝利は、戦争法・憲法の問題に加えて、TPP・低米価などでの安倍政権に対する厳しい審判です。参院選の成果を生かして総選挙で野党共闘を発展させることがいよいよ重要になっています。

 野党共闘の発展で暴走政治を阻止

 2016年秋のたたかいは、TPP批准阻止を重点に、戦争法、原発再稼働、沖縄新基地建設、社会保障など国民的な課題で共同して安倍政権の暴走にストップをかけるたたかいです。またアベノミクス「農政改革」と対置して「戸別所得補償制度」の復活を求める運動を進めます。

 アメリカ議会でのTPP承認はますます不透明になっていますが、安倍首相は、10月末までにTPPの衆院通過を強行の構えです。

 先の通常国会では、国会決議違反や情報公開、TPP対策の問題などで国会審議が度々止まり、継続審議に追い込まれました。これらの問題は何ら解決されていません。加えてSBS(売買同時入札)米の価格偽装や協定文書の誤訳など、審議の前提となる新たな問題も発覚しています。

 臨時国会での拙速な批准に反対が世論の7割に達しています。こうした世論と結んで臨時国会での批准を阻止するために全力をあげましょう。

 10月16日から来年1月18日までを「第22回大会をめざす仲間作り運動」として提起します。すべての都道府県連、単組が会員と読者の過去最高現勢の回復をめざすことを基本に、積極的な目標を掲げて挑戦しましょう。

 家族農業や既存組織を解体して、アグリビジネスが支配する農業に転換させるアベノミクス「農政改革」。こんなことを許したら国民の食糧は確保できず、地域社会は崩壊してしまいます。TPPとともにアベノミクス「農政改革」を断念させるたたかいが求められています。

 “核”担う農民連今問われる力量

 私たちの展望は、「安倍やめろ」の国民的たたかいと合流し、総選挙を市民と野党の共闘をさらに発展させて自公を少数に追い込むことです。農村で「安倍やめろ」の世論をつくる“核”の役割を担うのが農民連です。その力量がいま問われています。

 期待される役割の一方、会員と新聞「農民」読者は後退傾向にあり、農民連運動のなかで最も立ち遅れた分野になっています。

 農民連が毎週、発信する情報を受け止める人をどれだけ増やすか、農民連とつながる人を広げる運動が新聞「農民」の読者拡大です。読者拡大は、農民連の組織のすそ野を広げ、財政の基盤をつくります。広範な農家にTPP、アベノミクス「農政改革」、税金や販路など、多様な要求で対話し、新聞「農民」の購読を勧めると同時に、農民連に入ってともにがんばろうと呼びかけましょう。

 大会に向けて、この間の運動の成果と結びつきを余すことなく組織建設に結実させましょう。

 すべての組織が「前進を続ける組織の4つの教訓に基づく活動」に照らして、検証・実践しましょう。

 歴史の転換点に立った第22回農民連定期大会を組織的な前進の中で迎え、農民連の新時代を切り開く大会へと成功させましょう。

(新聞「農民」2016.10.31付)
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2016年10月

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