弁護士から農業へ
法律書を鍬(くわ)にかえた
岡山市 林 秀信さん(63)
関連/夏のおわりは 春のはじめ
60歳を機に畑づくり
子どもたちに安全な野菜を
元弁護士の林秀信さん(63歳)は、2014年8月に弁護士をやめ、農業を始めました。
林さんは、幼いころから正義感が強く、お父さんの助言もあって、弁護士をめざしました。大学卒業後、東京で弁護士活動を始め、その後、故郷の岡山に帰って弁護士活動を続け、岡山県農民連が日ごろから協力いただいている弁護士事務所の所属弁護士としても活躍してこられました。
高齢になった両親を考えて
もともと体が丈夫ではなかった林さんは、60歳を迎えたのを機に、弁護士活動に一区切りをつけ、高齢になった両親のこともあり、2年前の14年、思い切って実家の農業を引き継ぐことを決意しました。
いま、林さんの畑には、ナスやねぎ、ミョウガにカボチャ、そしてハーブなどが栽培されています。畑は、いままで弁護士をしていたとは信じられないくらい、きれいで、立派な畑です。
当初、自分で畑を維持するのは難しいと思った林さんは、昔、田んぼだった畑10坪の広さで10区画に分け、貸し農園として耕作してもらおうと、農機具も準備していたのですが、周りにも農地が多いとあって、2区画しか借り手が付かず、残りはご自身で耕作しています。
ハーブや無農薬野菜にも挑戦
収穫した野菜は、近くの保育園へ出荷するなど営業努力を続けていますが、収入と呼ぶにはまだまだとのこと。でも子どもたちに安全、安心な食材を届けるのが生きがいになっているそうです。
今後は、ハーブや無農薬野菜の栽培にも取り組み、経営としても成り立つような道を模索していきたいという林さん。新聞「農民」の読者にもなってもらいました。
(岡山県農民連 秦明美)
|
愛知・津島市 桜井久美子 |
(新聞「農民」2016.10.24付)
|