“女性の活躍”と言いますが
これでは活躍できません!
婦団連が『私たちの提言』発表
女性の実態持ち寄りシンポ開く
安倍政権は「一億総活躍社会」の中核として「女性の活躍」を掲げています。こうしたなか日本婦人団体連合会(婦団連)は10月6日、各分野の女性の実態を持ち寄り、共有するシンポジウム「“一億総活躍社会”といいますが…これでは活躍できません! 女性の実態と『私たちの提言』」を国会内で開催し、当面必要とされる法整備などの提言を発表しました。
婦団連には、農民連女性部をはじめ、全労連(全国労働組合総連合)など労働組合の女性部、新日本婦人の会などさまざまな分野の女性団体23団体、90万人が加盟しています。昨年には、加盟団体ごとに、女性の暮らしと労働に関するアンケート調査を行いました。
出産翌日も働く
女性の労働実態と、なかでも妊娠、出産、育児に関する実態を調査した全労連女性部は、非正規雇用でも半数以上の人が残業しており、なかには月60時間を超える人もいる実態を紹介。また、4人に1人が切迫流産を経験しており、日本婦人科学会の統計値(8〜15%)と比較しても働く女性の流産の深刻さが浮き彫りとなりました。
このほか、「開業女性医師・歯科医師は産前産後の休みがほとんどとれない。出産翌日から働く人もいる」と報告した保団連(全国保険医団体連合会)女性部や、「消費税増税で収入が激減し、自分の商売の他に、パートに出るなどのダブルワークをせざるを得ない」実態を報告した全商連婦人部など、切実な訴えが続きました。
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農民連女性部農村女性の実態アンケート調査から |
農村女性の実態
農民連女性部も昨年、農村女性のアンケート調査に取り組んでおり、その結果を高橋マス子副部長が報告しました。
高橋さんは、436人から寄せられたこのアンケートで、58・9%の人がここ数年の農業収入が「減った」と回答し、なかには400万円もの収入が減ったという人もいる実態を紹介。
農産物価格が暴落するもとで、大規模な農家ほど収入が減っていることや、「農業は好きだが、現実として暮らしていけない」ほどに農業収入が低迷している深刻さを発言し、「欧米並みの農産物の価格保障制度に拡充することが、農村女性が輝くために非常に重要だ」と、訴えました。
女性の願いは…
婦団連は、これらの実態調査を受けて、「女性の活躍」を掲げているはずの安倍政権のもとで、実際には女性の願いはほど遠い格差と貧困が広がっていることを批判し、女性が安心して働きつづけるために当面必要とされている法制度の整備などの提言をまとめました。
そこでは、安倍政権が今国会に提出している「残業代ゼロ」法案ともいうべき労基法「改正」案の撤回や、規制緩和・つめこみ保育ではない子育て環境の整備、国民の生存権を保障する社会保障制度への強化などを、具体的な要求項目も併せて提言しています。
(新聞「農民」2016.10.24付)
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