青森県農民連 女性部
総会と“裂き織り”体験
“つくり続ける”大切さと
庶民の生活の知恵実感
青森県農民連女性部の総会を9月6日、十和田市の「手づくり鯉艸郷(りそうきょう)」で行い、県内5つの農民組合から21人が参加しました。
部長の山本裕子さんが、8月に石川県で開催された日本母親大会の「食・農業・TPP」問題別集会に参加した感想を話しました。
山本さんは、「遺伝子組み換えトウモロコシのコーンスターチが、消費者に知らされないまま、多くの食品に使われていることを聞いて、すべての食品に表示されるべきだと思った」と言い、子どもや若い人たちに、安全で、季節が感じられるような旬の農産物を届けていくには、私たち生産者がつくり続けることが大事だと実感したことを語りました。そして最後に、「岩手県で開催される来年の母親大会に、青森からもたくさん参加しましょう!」と呼びかけました。
総会ではこのほか、昨年に引き続いて在来種の掘り起こしていくことや、被災地支援を継続していくことなどを確認しました。
水車でひいたそば粉を使った手打ちそばの昼食後は、「匠工房 南部裂織の里」に場所を移し、みんなが楽しみにしていた裂き織り体験をしました。
裂き織りは着古した着物を細く裂いてまた織り直すもので、丈夫な生地となってまた衣類に生まれ変わります。もののない時代に再利用する庶民の生活の知恵です。
ズラッと並んだ機織り機には、あらかじめ縦糸がセットされており、さっそく保存会の皆さんが織り方を教えてくれました。横糸を縦糸にくぐらせ、板をトントン。反対の足を向こうへ…。頭がこんがらがりながらも、1時間半ほどで約30センチほどの布が完成。20人それぞれ、さまざまな色模様の裂き織りができあがりました。
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できあがった裂き織りを手に、記念撮影。組み合わせる横糸のちがいで、一人一人ちがうものに |
今は衣類も食べ物も簡単に手に入りますが、地産地消が豊かな文化をつくっていることや、先人の知恵を感じることができる総会となりました。
(青森・津軽農民組合 新田文代)
(新聞「農民」2016.10.17付)
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