従来の枠にとらわれない対策を
北海道・岩手の長雨・台風被害
農民連が農水省交渉
相次いで発生した台風や長雨により、北海道や岩手県で甚大な被害が発生しています。農民連は被害対策を求める農水省交渉を9月30日に行いました。
白石淳一会長をはじめ、北海道農民連の山川秀正委員長と野呂光夫書記長、岩手からは堂前貢農民連副会長が参加。共産党の紙智子参院議員、畠山和也衆院議員も同席しました。
交渉では降雪前の早期復旧対策や、農家負担の軽減、共済金の早期支払いなど、営農継続への対策を求めました。
農水省は「従来の制度の枠内でできる限り迅速に対応する」と回答。
山川委員長は「復旧費用の農家負担が、農地価格よりも高くなると、復旧が進まなくなってしまうと心配している。また、共済対象に入らない作物への対応が来年度の営農への支援だけでよいのか。長芋などは11月末が収穫なので、年末が迫ってから被害が明らかになる。ぜひ有効な手立てを打っていただきたい。今回の被害は台風以外の長雨での被害も大きく、もっと大きな目で見て、来年の営農に対して万全の対策をしてほしい」と重ねて要望しました。
また野呂書記長は「北海道の酪農家が、搾乳ができなかった背景には停電がある。補助電源があればもっと被害は抑えられたはず。補助電源導入への助成を行ってほしい」と訴えました。
岩手からは「わさび農家が林道の被害でわさび田への移動が困難になって困っている」という声が上がりました。
農水省は「河川復旧などとあわせて農地復旧の農家負担をできるだけ軽減したい」などと回答しました。
最後に白石会長は「並外れた被害で、従来の枠にとらわれない対策が必要なのは明白」と重ねて訴え、「来年の計画すら立てられない農家の悲痛な声を受け止め、万全な対策の検討を」と要望しました。
(新聞「農民」2016.10.17付)
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