徹底調査と全容解明をSBS輸入米の価格偽装農民連・食健連農水省交渉
MA米の輸入はやめよ
農民連と全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)は10月5日、SBS(売買同時入札)輸入米の価格偽装問題について農水省に要請しました。日本共産党の畠山和也衆院議員も同席しました。 |
SBS米の価格偽装を追及する参加者。白石会長(立っている人)と畠山議員(その左) |
また、国内の業務用米とSBS米の価格が同じだと説明してきたのに、実際は「調整金」により安く流通していたことを指摘し、「市場価格に影響を与えないという政府説明の前提は崩れた」と論破しました。
農水省の担当者は参加者の発言に対して「ご趣旨はよくわかります」「その通り」などと答えざるをえませんでした。
最後に、参加者は、生産者米価に計り知れない影響を与えてきたSBS・МA米を中止することと、TPP承認案を撤回することを強く要求。引き続き、徹底して追及し、真相を生産者、消費者にも明らかにしていくと訴えました。
私たちが強く求めていた「真剣な調査と真相の究明」には程遠い、作為と隠ぺいに満ちたデタラメな調査結果です。
「調査」とは名ばかりで、輸入業者26、買受業者113に対する電話等での聞き取りであり、無回答も認められているうえに虚偽の回答をしても罰則もなし。期間も5年間のみです。
さらに、肝心の国内米価格への影響の分析については、SBSの入札状況と国産米価格の一般的なデータを並べあげるだけで、「調整金」による値引き販売の影響には一切目をつぶっています。
最初から「影響はなかった」との結論を導き出すための無責任、不誠実きわまりない調査にすぎません。
「買受業者・輸入業者へのヒアリング結果」では、輸入商社26社中、調整金のやりとりが「過去にあった」「現在もある」が19社、「これまでない」が7社。実に7割以上の商社が手を染めていたことがわかります。
一方、113の買受業者のうち「これまでない」が61で5割以上に上ります。これは、買受業者のうち「名義貸し」業者が多く存在していることを表しています。実際の実需者段階の調査を行った形跡はありません。
「調整金」の活用方法や背景・目的などは一応ヒアリングしていますが、金額や授受の方法などは一切触れていません。
「国産米の価格とSBS入札との関係」では、「SBS入札の時期の前後において、国内産米の価格はほとんど変動していない」としています。
調整金の存在が明らかになったことから「生産者の不信感を払しょくするため」に調査を行ったにもかかわらず、肝心の調整金の詳細を把握することなく、既存のデータを羅列して、SBS入札時期前後の「コメ価格センター価格」と「相対価格」を並べて「変動なし」とする不誠実さ、非常識さには怒りを通り越し、あきれるしかありません。
農民連は、さらに調査結果を分析し、反撃の準備をしています。
引き続き、徹底究明を要求し、МA米・SBS米の疑惑解明なしの拙速なTPP批准は許さない運動を発展させましょう。
[2016年10月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
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