東北地方に台風初上陸
野菜畑に深刻な爪痕
青森・横浜町
被害の全容はまだこれから
私の住む青森県横浜町は、今年はお盆明けに台風9〜11号が立て続けに来襲し、一晩で100ミリを超すとの警報が3日も出され、大雨が続きました。
被害は甚大で、河川の水があふれて田んぼに流れ込み、3人がかりでまる1日をかけて土のうを積み、ようやく水を止めることができました。
翌朝、長芋畑に行くと、支柱は曲がり、長芋の植穴も水没。葉が風でとばされ、ネットも引き裂かれて惨憺(さんたん)たる状況でした。ニンジンや長ネギは、葉が折れて一面、同じ方向になぎ倒されていました。
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倒伏したネギ畑(十和田市) |
その後、長芋の修復作業に1週間もかかりましたが、じつはその間に、ニンジンも大雨で畑が過湿状態になり、葉が折れた傷口から病原菌が入り、次々と腐敗していきました。葉の腐敗は畑に行くたびに広がり、県の野菜振興課に問い合わせたところ、「軟腐病です。台風の連続襲来による二次被害です」とのこと。結局、軟腐病で一気に全滅状態となりましたが、こんな事態は農業に携わってからの30年間で、初めてのことでした。本来、ニンジンが最も肥大する時期に葉が腐敗し、土の下のニンジンもヒョロヒョロになってしまいました。
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支柱がなぎ倒された長芋畑(十和田市) |
被害は横浜町以外にも南部地方に広範にわたっています。十和田市では長ネギが根元で曲がり、良品で5キロ1600円のところ、600円の加工用にしかならないなどの被害を受けた会員もおり、急きょ他の会員数人が出荷作業の援農にかけつけました。
長芋もゴボウもニンジンも、収穫してみなければ被害の全容はわからず、今後も続々と被害が明らかになってくると思われます。野菜の被害は補償がありません。みんなの知恵や要求を出し合い、行政などにも支援要請をしていこうと、話し合っています。
(青森・南部農民組合 沖津由子)
(新聞「農民」2016.10.3付)
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