岡山県女性部
はなみずきの会
なんでも話せるから
女性部活動は楽しい
関連/農と食だけじゃない…/夏野菜の王さまに感謝
農家レストランも大好評
岡山県農民連の女性部「はなみずきの会」は、2013年の再建以来、活発に活動しています。
回遊魚のように動きつづけよう
女性部再建のきっかけは、13年に開かれた全国の女性部総会に参加し、各地の女性たちのいきいきとした取り組みに衝撃を受けたこと。帰ってすぐに農民連会員の奥さんに声をかけて報告会を開きました。そして県女性部再建という目標が定まるとあっという間に行動を起こし、2カ月後には正式に新しい女性部「はなみずきの会」が誕生しました。
組織ができてもジッとしていたら元に戻ってしまうので、「回遊魚のように動き続けよう」を合言葉に、次々と新しい事業に挑戦しています。
全国総会では、岩手の「ばあばのれすとらん てご舎」や朝市、特産品の開発などの報告に衝撃を受け、「私たちの所でもまねしたい」となりました。
しかし部員の多くは海抜0メートルの干拓地に住んでおり、夏場の日長時間は17時間以上。辺り一面が水田で、野菜を栽培できるところは極端に少なく、栽培品目はみんな一緒。朝市を開いても、人気商品がなく、思案の日々が続きました。そんな時、「うちでも加工所をつくって、加工品を並べたら」という意見が出ました。
意志統一ができたところで、さっそく部員宅の不要になった台所を借り上げ、「農家レストランはなみずき」を、14年8月に岡山市内に開設しました。「とりあえず話を聞いてみよう」と保健所を訪ねたところ、大改装や設備投資も必要ないことがわかり、営業許可は1週間もかからずに取得することができました。
悩むより動いて加工許可を取得
レストランは予約制で、小さな紹介カードをつくって、地域の医療生協や新日本婦人の会、部員それぞれの友人などに配布し、最近では1カ月に5、6組、多いときには1週間3組ぐらいのペースでお客さんが来てくれています。このほかにも毎週木曜日と土曜日に農協女性部の直売所や朝市に、すしなどを出品。弁当の注文もあります。
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忙しくも楽しいレストラン兼加工所でのそうざい作り |
こだわりは、なるべく地元の食材を使うこと。自分たちの野菜を冷凍しておいたり、卵や豆類、しいたけ、かんぴょう、ブルーベリーなど農民連会員の生産したものを活用し、運営にあたっている部員スタッフ5人で知恵を出し合い、献立を作っています。うれしいことにリピーターのお客さんも増え、「これ、どうやって作ったの?」と聞かれることも。
「はなみずきの会」では農家レストランのほかにも、毎年、共同でみそ作りをしてきました。でもやはり販売するには許可が必要ということで、昨年、別の部員宅の倉庫を借りてみそ加工場の許可も取りました。部員が栽培した大豆や米を買い上げて、仕込んでいます。本格稼動はまだですが、今年は大豆の生育も順調で、次の仕込みが楽しみです。
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毎年のみそづくりも共同作業で |
みんなでやれば不可能も可能に
こうした活動に、みんなで取り組めるのは、とにかく楽しいから。歳を重ねると、新しい出会いも減っていくなかで、同じ目的で集まった仲間なら、家族の愚痴や、日ごろの悩みもなんでも話し合えます。それに一人ではできないことも、みんなでやれば可能になります。「集まる場所がある」、これが、「はなみずきの会」の魅力でしょうか。
今後は、みそや餅、ゴマ、豆類、野菜など会員の生産物をセットにした贈答用ボックスにも挑戦していく予定です。
(岡山県農民連女性部佐藤富惠、坪井瑞穂)
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長野・小諸市 布施 和子 |
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長野・松川村 上田 洋子 |
(新聞「農民」2016.9.26付)
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