長雨に続く台風連続被害農業生産の根幹を揺るがす
北海道
6月からの長雨と、1週間に3つの台風が立て続けに上陸し、さらに台風10号で甚大な被害に直面している北海道。農業被害面積が1万2000ヘクタールを超えています。 |
中央奥の沢から流出した土砂、流木が畑に広がっています(本別町) |
「このあたりの山は地盤が弱く、台風8号で国有林から沢沿いに土砂が流出し、台風10号でさらに拡大した。町内で2、3カ所、同じように畑に土砂が流入している。流木などの撤去に費用が掛かり、土地代よりも撤去費用が高くなってしまう恐れがある」と阿保さん。「この畑は25歳の若い農家が耕作しているが、気持ちが折れてしまわないか心配だ」
まるで池のように水がたまった畑もあります。作付けされたビートや小豆は変色を始めていました。「今までこんなに水がたまったことがない場所でみんな驚いている」と話します。
水没した小豆畑(本別町) |
阿保さんの畑では収穫時期の大正金時が水につかってしまいました。「着色不良を起こしていてこのままでは出荷できない。さやの中で発芽を始めているものも出ていて、今年は全滅だろう」といいます。ビート畑では、長雨のため防除に入れず、葉腐れ病になり葉が真っ黒になったビートが広がっていました。
音更町の田守文夫さん(51)のジャガイモ畑は前日の雨で水がたまっていました。「30年農業やっていて初めて」という状態です。「9・5ヘクタールのうち1ヘクタールが水につかった。これで今年水につかったのは3回目。腐っているから収穫は無理だろう」と嘆きます。
田守さん(左)の水がたまったジャガイモ畑を視察する白石会長 |
「麦も収量が昨年の半分。ビートも防除ができずに病気が出ている。長芋も、掘ってみないとわからないが、どうなっているか」と話し、「何かダメでも他で取り返せるのが十勝の農業だった。今年みたいに、みんなダメということは今までなかった」と今年の異常さに驚いています。
他の地方の被害も合わせ、日本の食糧基地・北海道の、農業生産の根幹を揺るがしかねない被害に対し、早期の復旧と営農の継続を担保できる支援が強く求められます。
ゆうちょ銀行から振り込む場合 記号 10030 番号 61671711 名義 農民連災害対策本部
他の金融機関から振り込む場合
|
[2016年9月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-2016, 農民運動全国連合会