米屋と生産者をつなぐ交流会
大阪
関連/生き残れる道求め
日本の米を守るたたかいを
米屋と生産者の二人三脚で
農民連ふるさとネットワークは8月28日、米屋さんと生産者をつなぐ交流会を大阪市で開催し、生産者と米業者あわせて約100人が参加しました。
こだわりの米をもっと売りたい
ふるさとネットの根本敬代表は「需給のミスマッチという言い方をされているが、消費需要の動向が産地側にきちっと伝わりきれていない。中食・外食用の米が4割を占める状況を受け止めて、米の生産と流通をともに考える時期に来ていると思っている」と話しました。
小売店を代表して、大阪府米穀小売商連合会(大米連)の河中義和会長があいさつ。「スーパーの特売価格帯が一番よく売れている。米屋も、もっとこだわりのお米を売っていきたいが、低価格帯の米も扱わないと商売が成り立たない。今年は10キロ当たり2〜300円の値上がりになり、この値上がりが消費者や実需者に受け入れられなければ、米屋も米卸も総崩れになってしまう」と危惧を表明。「大米連が行っている“いっちゃんうまい”米コンテストにもぜひ参加してほしい」と呼びかけました。
ふるさとネットの湯川喜朗事務局長は現在の米情勢について「産地と業者の努力だけでどうにかなる状況ではなくなっている」と指摘し、国が需給の調整に責任を持つこととともに、「学校給食の無償化や、完全米飯化などにもお米屋さんとともに取り組んでいきたい」と述べました。
作柄やとりくみの状況を報告
産地からは作柄や取り組みの状況を報告。福島からは「ほぼ平年並みだが台風の影響が心配」、富山からは「3〜4日早く刈り取りが始まっている」といった作柄の報告や、岡山ではどんぶり用に適した「あけぼの」の栽培を増やしたことを紹介し、「農家にとって有利な米は何なのかも大切だ」と話しました。
また、米屋を代表して、大阪の米屋有志でつくる「あすなろの会」会長の蔵井謙一さんが「お客も私たちが育てていく時代。生産者と二人三脚でがんばっていきたい」と述べました。
その後、参加者はそれぞれ名刺交換や情報交換を行い、加工品や非常食などの展示ブースでも活発に意見交換が行われました。
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あちこちで生産者と米業者の話に花が咲きました |
大阪市城東区、岡本の米屋 大西一央さん(44)
TPPのことがよく分からず勉強したいという思いもあって参加しました。良い米が売れれば米価もよくなっていくだろうし、その先に米屋が生き残れる道があったらいいと思っています。
方向性のヒントに
石川県七尾市の生産者 西野勝一さん(75)
今年は特別栽培米を700俵出荷する予定です。初めて参加して、他の生産者や米屋の話を聞き、すべてまねできるわけではないが、方向性のヒントになる話も聞けました。また参加します。
(新聞「農民」2016.9.12付)
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