「農民」記事データベース20160829-1227-01

農民連 全国研究交流集会開く

大会に向け要求運動を発展させ
全会員参加による拡大運動を

参院選での成果を全国の確信に

 「5年後の地域がどうなっているのか、どうすればいいのかという答えを探しにきました。市町村や農協とも連携することが必要だと思いました。そのためにも農民連をつくり、大きくしていくことが大切。がんばりたい」(三重県・中西長市さんの感想)――2016年農民連全国研究交流集会が8月4、5の両日、福島県の土湯温泉(福島市)で開かれ、全国33都道府県から223人が参加し、学習と交流を深めました。(2、3、4、5面に関連記事)


臨時国会でのたたかいで
TPPは必ずつぶせる

 野党統一候補 画期的な勝利

 白石淳一会長が主催者あいさつ。参議院選挙の結果について、「野党統一候補が11の選挙区で勝利したことは画期的な成果で、安倍政権に対する強い批判の表れだ。この国民の意思は、秋のたたかいの足がかりとなる一歩だ」と述べました。

 交流会の目的について(1)参議院選挙の成果を確信に、TPP批准阻止など秋のたたかいの意思統一(2)TPP路線に対置した価格保障などの岩盤政策、地域づくりの実践を学び交流すること(3)来年1月の第22回農民連定期大会に向けた、仲間づくりを前進させること――の3つであることを指摘し、「大いに学習し、交流しよう」と呼びかけました。

 記念講演として、愛媛大学アカデミックアドバイザー、愛媛食健連会長の村田武さんが「アベノミクス『農業・農協改革』・TPPとどう闘うか」をテーマに報告しました。

 安倍政権が米価暴落を放置し、TPP、農協攻撃などアメリカ、財界言いなりの農政に軸足を移すもとで、自治体と農協への影響力を強め、地域農業の担い手となって、有機・環境保全型農業、農業と福祉の連携、再生可能エネルギーで村おこしなどを推進する農民連への期待を語りました。

 批准にひた走る安倍政権を批判

 吉川利明事務局長が常任委員会報告を行い、参院選で東北・甲信越の9選挙区中8選挙区での野党統一候補の勝利は、戦争法に加えて、米価、TPP、農協改革に対する農民の怒りの表れだとしたうえで、「これを足場に秋の臨時国会でTPP批准を先送りさせれば、TPPをつぶす展望が開かれる」と強調しました。同時に、生産と地域を守る運動を大いに進めることを提起しました。

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報告する吉川事務局長

 さらに、参院選やこの間の運動の成果を力に、運動の核となる農民連、地域を守り、営農を継続するための核となる農民連の必要性を訴え、22回定期大会に向けた要求・拡大運動の成功を呼びかけました。

 真嶋良孝副会長が、TPPの現局面について補足の報告を行いました。アメリカ国民の反対世論を受け、共和・トランプ、民主・クリントン両候補とも、いまのTPPには反対していることを指摘。年内の批准が絶望的となっているアメリカの動向に目もくれず、国会批准にひた走る安倍政権を批判しました。

 最後に「せめてアメリカの動向がはっきりするまで批准するな」の声を強め、与党議員や国会・地方議会への働きかけを強め、中央・地方で幅広い共闘を追求しながら、批准阻止の行動に立ち上がろうと訴えました。

生産と地域守る運動を
大いに前進させよう

 地震・選挙・若者で 3氏が特別講演

 3氏が特別報告。熊本県農民連の笹渕賢吾会長は、熊本地震に対する全国からの支援に感謝を述べ、地域によっては稲の作付けができなかった実態を語りました。

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登壇者の報告に拍手

 長野県の竹上一彦会長は、参院選長野選挙区で野党統一候補が勝利した教訓を報告。TPP反対のたたかいや農協との懇談を通じて、農協政治連盟が自主投票となり、選挙結果につながったと述べ、「安倍首相をはじめ、のべ100人もの幹部を投入しての敗北に自民党は危機感を強めている。決して圧勝ではない」と強調しました。

 奈良県農民連の森本吉秀会長は、若者の農業への関心の高まりについて述べ、若者への懇切丁寧な支援と国の就農支援給付金の必要性を述べ、「集落を消滅させない取り組みが必要だ」と訴えました。

 来賓もかけつけ 盛大に懇親会も

 全体会には、来賓もかけつけました。

 「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟原告団の中島孝団長が、「新自由主義、グローバル化とたたかう農民連のみなさんの姿に勇気とがんばりをもらっている。すべての被害者を救えというわれわれの声に正義がある。裁判を勝ち抜いて、正義を確立したい」と述べました。

 参院選福島選挙区の野党統一候補として勝利した増子輝彦参院議員(民進党)は、「福島県農民連が各地域で活躍し、がんばってきたことが勝利につながった」と表明。農業の振興、福島の再生に取り組み、TPPに明確に反対することを力説しました。

 夜には懇親会が行われ、福島の料理や、持ち寄られた地酒を味わいながら交流しました。参院選比例代表で当選した福島出身の岩渕友参院議員(日本共産党)もかけつけ、あいさつしました。

 太陽光発電など 視察オプション

 5日の午前は、5つの分科会が行われ、各地の取り組みや経験を学び、交流し、今後の活動に生かす決意を固めました。

 まとめの全体会で、吉川事務局長は、「交流会で得た力を秋のたたかいと22回定期大会に向けた仲間づくりに結びつけよう」と閉会あいさつをしました。

 その後、希望者は被災地視察コースと太陽光発電コースに分かれて、視察を行いました。

(新聞「農民」2016.8.29付)
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2016年8月

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