「農民」記事データベース20160815-1226-08

地域の話題
あれこれ

京都府
上原 実


スーパー、公設市場が次々姿消す
地域住民にますます根付く朝市

 地域の特産物の販売でがんばる

 土曜日、朝早くから餅つきの音が響きます。京都府伏見区の農民連事務所前の駐車場で20年以上続く朝市の光景です。産直センターの移転に伴う跡地の活用を検討する際に、地域住民にアピールできて、親しまれる取り組みにしようということで始まりました。

 その名も「もぎたて野菜市」。当時、周辺にはスーパーダイエー、公設市場など競争相手がひしめいていましたが、新鮮な旬の野菜をアピールし、「美山デー」など地域の特産物の販売などでがんばってきました。

 「平飼い卵」「京地鶏」「鯖街道の鯖寿司」「美山川鮎の塩焼き」、さらに「洛西のタケノコ」など、ファンも増えました。とりわけ、毎週の杵つき餅は、「味が全然違う」と評判です。

 顔なじみのお客さんも増え、「これはどうして食べたらいいの」とのお客さんの問いに別のお客さんが「こいして食べたらおいしいよ」と答えるなど、朝のあいさつやお客さん同士の会話も弾みます。

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地域住民の交流の場にもなっている「もぎたて野菜市」

 朝市には、その時々の世相も反映します。一つは、お客さんの一人あたりの買い物額が当初、平均1500円だったのが、今は1000円に落ちてきています。庶民の懐事情の厳しさを示しています。

 もう一つは、お客さんの年齢層で比較的年配の方が多いことです。話していると、年寄り夫婦二人だけとか、連れ合いが亡くなって一人暮らしになったという方が結構多いのです。そういう方は、遠くまで買い物に行けず、買い物難民になってしまいかねません。

 創意工夫こらし持続させたい

 とりわけ、この間にダイエーが閉店し、公設市場もなくなり、周辺に3つあった米屋さんも廃業しており、米も手に入りにくくなっています。朝市の取り組みが地域住民に根付くよう、創意工夫を凝らして持続させていきたいと思います。

(新聞「農民」2016.8.15付)
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2016年8月

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