「農民」記事データベース20160815-1226-01

農民連ふるさとネット第13回総会

生産と地域を守る産直
事業を発展させよう

心一つにして新たな前進を

関連/休刊のお知らせ


悪政に立ち向かい
農業政策の転換を求める

 農民連ふるさとネットワークは7月28日、東京都豊島区の東京労働会館ラパスホールで、第13回総会を開き、28都府県から73人が参加しました。

 列島3000キロ新たに広げよう

 堂前貢代表は開会あいさつで「この1年間、新日本婦人の会会員との産直をはじめ、米屋さんを通じて消費者に届ける準産直米、学校給食や産直カタログ、被災地・沖縄支援など多様な取り組みを行い、豊かな農畜産物を消費者に届ける役割を果たしてきた。列島3000キロを結ぶ新たな方向をさらに広げよう」と述べました。

 農民連の白石淳一会長は、TPPや米価暴落など農業を取り巻く情勢にふれ、「生産と地域社会を守るために、団結を基礎に力を発揮することが求められている。流通や農産物価格への不安があるなかで、食の安定供給が求められる今こそ、ふるさとネットの出番」だとあいさつしました。

 2氏が来賓あいさつ。日本共産党の畠山和也衆院議員は、参議院選挙で野党統一候補11人が勝利したことについて、「農村部から安倍政権への審判が下された」と指摘。「安定的に農産物を提供したいという生産者の思いと、安全・安心な農産物を食べたいという消費者の願いを結んできたふるさとネットの活動が社会的に大きな役割を果たしている」と強調し、「生産者主役の農政を取り戻すために、みなさんと力を合わせてがんばる」と決意表明しました。

 新日本婦人の会の小島妙子中央常任委員は、おしゃべりカフェ、産直品を使ったクッキング、大豆畑トラストなど、農民連と協力した多彩な取り組みを紹介し、「TPPや憲法改悪に反対するたたかいをみなさんと一緒に進めていきたい」と語りました。

 ものをつくって育てるのが原点

 総会議案の報告を、ふるさとネットの湯川喜朗事務局長が行い、米の準産直、新婦人会員との産直、復興支援活動、学校給食などこの1年間の取り組みを振り返りました。

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報告する湯川事務局長

 さらに、「私たちの取り組みの原点は、ものを作り、育てること。農地と地域社会を守るためには生産する力、販売する力、人を育てる力が求められる。この間の運動と事業の成果をさらに前進させ、悪政に立ち向かい、農業政策の転換を求める運動と事業で新たな前進をめざそう」と呼びかけました。

農業の担い手づくりが急務

 各地から様々な活動多彩に報告

 討論では、各地のさまざまな取り組みが報告されました。

 被災地からは、熊本地震で家屋や田畑に甚大な被害がでた熊本県から大矢野産直センターの松田浩二さんが発言。全国からの支援に感謝し、「いまだに家屋が倒壊したまま」「納屋に入っていたコンバインが壊れた」「水が来ないので水稲の作付けをあきらめた」などの現状を報告し、「ぜひ熊本に足を運んで」と訴えました。

 山形・庄内産直センターの小林隆範さんは、強風で産直センターの屋根が吹き飛ばされ、その後の復旧への協力に感謝の言葉を述べました。さらに、宮城への炊き出しなど震災支援活動を産直で交流のある横浜の保育園などと継続していることを紹介しました。

 参院選1人区、野党統一候補が勝利したところから報告があり、福島農民連産直農協の本多芳司さんは、農林水産9条の会結成総会などを通じて、改憲阻止のためにも野党統一候補の勝利が必要だと思いを共有し、決起集会などで支持拡大の担い手を広げ、若い事務局員も成長していった経験を語りました。

 長野県農民連の竹上一彦さんは、農協の幹部との懇談のなかで、TPPや農協つぶしに対して強い危惧が語られ、農政連が参院選を自主投票と決めたことを紹介。

 後継者対策の問題では、千葉・房総食料センターの椎名二郎さんが、生産のための技術力、経営、業務体制などを継承する次世代育成プロジェクトを実施し、担い手づくりに力を入れていることを披露。「若手育成のための交流集会の開催を」との提案もありました。

 新婦人産直での豊富な取り組み

 各地の多彩な取り組みも生き生きと語られました。東京農民連の武藤昭夫さんは、新婦人会員との大豆畑トラストで、昨年好評だった枝豆収穫祭を踏まえて、みそづくりの取り組みを増やす方向で話が進んでいることを報告。千葉・多古町旬の味産直センターの小林由紀夫さんは、田植え、収穫祭などの交流会とは別に栄養士に産地のことを知ってもらうためのバスツアーを実施し、「わたしのでんき」で産直の会員を増やすなどの取り組みを紹介しました。

 岡山県農民連の秦明美さんは、新婦人会員との産直交流会をはじめ、みそづくり、朝市、農家レストランなど多様な取り組みで産直会員との結びつきを強めていることを報告。和歌山・紀ノ川農協の中原力哉さんは、社会福祉法人と連携して、遊休農地の再生、農産物加工などに取り組む農福連携を紹介。直売所「ふうの丘」に併設した飲食店経営、就労困難者の雇用拡大に貢献しています。

  新代表に根本敬さん
 総会は、最後に、議案を全員一致で採択。新役員を選出し、新代表に根本敬さん(福島農民連産直農協理事)が就任しました。

 根本さんは「テーマは『結集』。それぞれの組織が抱える課題を克服し、事業を大きく発展させていくためにも、心ひとつに結集することが大事。先人たちが切り開いてきた成果を踏まえて、新たな発展を切り開いていこう」と就任あいさつをしました。

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就任あいさつをする根本新代表

 新役員は次の通り。

 代表=根本敬・新、副代表=高橋清(千葉・多古町旬の味産直センター)、松本和広(和歌山・紀ノ川農協)、山口一郎(埼玉産直センター)・以上再、事務局長=湯川喜朗(事務局)・再


休刊のお知らせ

 次号の8月22日付は休刊にします。

新聞「農民」編集部
(新聞「農民」2016.8.15付)
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2016年8月

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