参院選で示された農民の声
新年度予算に反映せよ
国民大運動実行委
農水省と交渉
「軍事費を削って、くらしと福祉・教育の充実を」国民大運動実行委員会は7月22日、農水省に、2017年度予算編成にあたっての申し入れと交渉を行いました。農民連からは笹渡義夫副会長、吉川利明事務局長、ふるさとネットワークの湯川喜朗事務局長らが参加しました。
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農水省と交渉する(前列右から)湯川、笹渡、吉川の各氏 |
冒頭、笹渡副会長が「参議院選挙の結果に、TPPや米価に対する農村・農民の声が示されている。そのことを踏まえて、来年度予算に反映してほしい」と要望しました。
米価に影響を与えている「輸入義務のないミニマムアクセス(MA)米を廃止すること、主食の需給に直接影響を及ぼすSBS(売買同時入札)輸入米の増枠はしないこと」を求めたのに対して、農水省は、「MA米は国際約束であり、日本だけが一方的に廃止するのは難しい。SBS米についてはできるだけ主食に影響を及ぼさないように運用する」と答えました。
湯川事務局長は、「『MA米は日本の食料政策には不必要』とした農水省の立場をあらゆる機会に表明するべきだ。TPPで8万トンの輸入を受け入れながら、『同量の備蓄米を買い入れるから国内産米に影響がない』とするのは、米価暴落の現実をみない無責任なものだ」と厳しく指摘。笹渡副会長は「今の低米価では、規模の大きい農家ほどやっていけない。国が米の価格と需給の安定に関与するしくみを早急につくれ」と訴えました。
熊本地震の被害対策について、「生産を再開できるよう、農業施設の復旧、機械の買い替えなど従来の枠組みにとらわれない支援策を講じること」などと要求。なかでも、納屋建て替えの国庫補助を受ける場合、『最低15年は営農を継続すること』という条件が付くが、高齢者は受けにくい」と現場の声を紹介しました。農水省は、「『15年営農』にこだわらず、無償譲渡した場合などでも対応できるようにするよう自治体に徹底する」と答えました。
原発事故対策について、「東京電力に加害責任を明確にさせるとともに、原発事故がなかったら得られた収入、発生しなかったであろう経費のすべてを全面的に速やかに賠償するよう指導せよ」と要求しました。
また、「規制改革会議が打ち出した指定団体制度の廃止は行わないこと」との要望に対しては、「制度のしくみは守らなければならないが、改めるべきところは改める」と回答しました。
(新聞「農民」2016.8.8付)
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