「農民」記事データベース20160704-1220-10

旬の味


 新規就農者は、何を思い抱き、心機一転、農業の道へ歩み始めるのか? 今回一人の農業研修生が巣立っていったことによって感じたことを少し綴りたい▼“農業にかかわる仕事を今後したいので、農作業体験、研修を前提にお会いしたい”。そんな問い合わせを受け、研修を住み込みで受け入れることになった。半年ほどが過ぎ、農作業をそれなりにこなすようになり、本人も本気で農業の道を目指していくという決意が固まったようで、国の事業制度のサポートを活用して、こちらで抱えることに▼独立してから、畑何カ所かと、農作業機械を譲り渡した。その後、本人は、自分のもとから離れ、また違う農家の指導を受けながら、農家として生活をしている様子。けれど何かすっきりしない。田舎ならではの付き合いや、隣接している畑の人からあまりいい情報が伝わってこないからだ▼本人の生活は自立しているようだが、彼には、何よりも大切な田舎の生活面での研修が不十分だったことを強く反省している。

(W)

(新聞「農民」2016.7.4付)
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2016年7月

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