地域の話題
あれこれ
岩手県 堂前 貢
マタタビで豊凶占う農家の知恵
冷害より怖いのは「人災」TPP
今回から月2回程度、連載「地域の話題あれこれ」を始めます。書き手は、農民連常任委員が順番に務めます。
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岩手県の初夏の風物詩「チャグチャグ馬コ」が6月11日に行われ、滝沢市の鬼越蒼前神社から盛岡八幡宮までの13キロを、小荷駄と呼ばれる衣装をまとった73頭の馬コが練り歩きました。
この行事が終わると、みちのく岩手は本格的な夏を迎えることになります。農家にとって一番の心配は「冷夏」です。太平洋から冷たい「ヤマセ」が吹き付け、「障害型」の不作にならないか。8月の中旬までこの不安は続きます。
農家は、長年の経験から自然界の動きで稲作の豊凶を占ってきました。西和賀地方の古老の話では、「マタタビ」の葉の裏が白くなる度合いで、出来秋の予想ができる。この判断に従えばマタタビの葉裏の白さが今年は際立っていますから、農家を悩ますような冷害はないのかなと思っています。
批准阻止の声を農村で広げよう
冷害より大きな被害を与えるTPPの批准は阻止する。このための共同は岩手でも広がっています。ある農協の組合長は、「このままでは再生産できない。そのような農業にする政党はだめだ。WTO(世界貿易機関)の77万トンに加え、8万トンの輸入は、わが農協管内の生産量と同じであり、とんでもない。国会議員は、現場の状況を知らないので、きちんと見るべきだ」と話しています。
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「いわて食農ネット」が行った農協訪問=4月6日、JAいわて花巻 |
冷害より怖い「人災」阻止に向けて、今度の参議院選挙はTPP阻止の声を農村部に広げる最大のチャンスでもあります。
(新聞「農民」2016.6.27付)
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