ジョモ・K・スンダラム氏講演会TPPは人々を“豊か”にするのか――批准許さない運動の継続を
アジア太平洋資料センター(PARC)は5月30日、都内で、マレーシアの経済学者、ジョモ・K・スンダラム氏を招いての講演会「TPP協定は人々を“豊か”にするのか?」を開きました。ジョモ氏は、TPP協定について、米国で44万人の雇用減、日本でも7・4万人の雇用減という試算を出した『タフツ大学報告書』の共同執筆者でもあります。 米農務省によるTPPの試算が、輸出や貿易で不正確なことを示し、「推進派は、コストを過小視または無視し、利益を誇張している」と批判しました。 さらに、雇用を破壊し、格差を悪化させるTPPの本質や、大幅に投資家の権利を強めるISDS(投資家対国家紛争解決)条項の問題点を解明しました。 国際政治学者の首藤信彦氏は、「米大統領選に関連して、米議会の批准が停滞している今こそ、原点に返って、TPP問題を基本的なところから再検討すべき」だと述べました。
両者は、参加者の質問に答えながら、TPPの批准を許さない運動の継続を呼びかけました。
第56回茨城県母親大会食の安全からTPPを考えよう県女性部で批准阻止アピール前日心配された天気も、くもり空ながら穏やかに回復した6月5日、茨城県結城市民文化センターアクロスで、第56回茨城県母親大会が開催され、755人が集いました。私たち茨城農民連女性部「ゆいの会」は、助言者に農民連食品分析センターの八田純人所長を迎え、TPPと食の問題についての分科会を担当しました。分科会にはゆいの会の会員を含め、約70人が参加。八田さんが、添加物や輸入食品の危険性について実験を交えながら解説した後、「食の安全性の問題からTPPを考えるきっかけを作ろう」と、活発な議論で盛り上がりました。 全体会の運動報告ではゆいの会のメンバーと共に壇上にあがり、TPP批准阻止の訴えをしました。
また、全体会では高遠菜穂子さんが講演しました。マスコミでは報道されないイラクの生々しい現状が報告され、あらためて「憲法9条は絶対に守らなければ」との思いを強くしました。 大会終了後の母親パレードは、「6・5全国総がかり大行動」に呼応したレッドアクション。参加者は会場から駅までの道を「平和な世界を!」と、沿道にアピールしながら、元気に歩きました。 (茨城農民連女性部ゆいの会部長 池田公子)
(新聞「農民」2016.6.20付)
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[2016年6月]
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