TPP批准阻止・戦争法廃止・原発再稼働反対
いよいよ参院選
私も必ず投票に
安倍自公暴走政治全体にノー
第190通常国会が6月1日に閉会し、いよいよ参議院選挙です(22日公示、7月10日投票)。通常国会ではTPPの批准を断念させ、TPP阻止の展望を切り開きました。参院選に向けて32の1人区すべてで野党統一候補が実現し、民進党、日本共産党、社民党、生活の党の4野党も、選挙に向けた「共通政策」を確認。戦争法廃止などに加え、TPPも盛り込まれ、自公を少数に追い込むならば、戦争法廃止、TPP批准阻止の展望が開かれます。参院選に向けて、3人の農民連会員の決意を紹介します。
安い米輸入、太刀打できぬ
統一候補支持訴え抜きたい
長野県農民連豊野産直センター事務局長・果樹農家
菊地 信行さん(60)(長野市)
今、一番忙しい時期です。果樹農家にとっても、TPPが批准され、発効すると、大変なことになります。特に加工品が大量に輸入されると、今でさえ、“安値安定”なのに、価格がますます下落し、とてもやっていけません。
とりわけ、米農家は、低米価で赤字にもかかわらず、政府は対策を放棄し、交付金を半減させ、海外から米を輸入しようとしています。安い米が流入すると、農家は太刀打ちできません。
国民の声に耳を傾けず、自分勝手に悪政を推し進めている安倍内閣。戦争法成立を強行しましたが、憲法があるにもかかわらず、なぜ集団的自衛権なのか、理解に苦しみます。消費税増税の先送りも決めましたが、まさにアベノミクスが破たんした結果です。
1人区の長野県選挙区でも野党協力が実現しましたが、TPPや戦争法を廃止に追い込む共闘はすばらしいことです。私も寸暇を惜しんで、1時間ほど時間をとって知人に電話で、統一候補への支持を訴えていますが、多くの人から共闘への期待の声が寄せられています。
投票日まで、全有権者との対話を進め、支持を訴え抜きます。
将来への不安いっぱい
政治の変化願い初投票に
千葉・多古町旬の味産直センター青年部
嶋田 順平さん(20)(旭市)
初めての選挙で、まだよくわかっていないことが多いけれども戦争法やTPPのことが心配です。
友人には自衛隊員も何人かいるので、友人たちの命も心配です。また戦争に加担することになれば自分も巻き込まれてしまうかもしれません。現実になれば不安で夜も寝られなくなってしまいそうです。
いま実家の農業を継ぐために研修中ですが、TPPは内容がはっきりとは説明されず、自分の農業にどう影響が出てくるかがよく分からない状態です。
政府は対策をするから大丈夫と言っていますが、将来への不安はまったく払拭されません。自民党が前の選挙で「TPP断固反対」と言っておきながら、国会で黒塗りの資料しか出さないのは、国民をだましていると思いますし、あきれて何と言っていいのかわかりません。
安倍首相のような人には早く辞めてもらいたいですし、選挙で政治が変わり、それが実現することを願って投票に行こうと思います。
TPPで地域・生活が一変
はちきんの力で変えたい
高知・土佐文旦産直協同組合女性部
野田 睦美さん(土佐市)
高知県土佐市で文旦とショウガをつくっています。高知は園芸王国。TPPが通ってしまったら、地域も、生活も一変してしまいます。農家は、農作業することで生活しています。だから消費者に少しでもいいものを届けたい、その農産物がTPPの影響で売れなくなってしまったら…。
土佐文旦産直組合には、若い後継者の仲間もたくさんいますが、後継者も育たなくなってしまいます。7月の参議院選挙は、農家にとって生活のかかった、大事な選挙です。
高知県は徳島県と合区になってしまいましたが、野党統一候補の大西聡(そう)さんの公約には、戦争法廃止などとともに「TPP批准反対」も盛り込まれました。それだけ農家のTPPへの危機感が強いことのあらわれだと思います。
でも先日、大西さんの演説会がありましたが、女性の参加者は今一つでした。高知は気持ちの強い「はちきん(土佐弁で元気な女性の意)」が誇り。選挙に女性がもっと参加して、女性の力や声が発揮されれば、流れも変えられると思います。
農家のお母ちゃんとして、家事と農作業の生活を長く続けてきて、社会や政治のことは勉強しなければならないことだらけです。でもそういう毎日を地道に、まじめに働く生活が、成り立つ世の中であってほしい。そして戦争もなく、子どもたちが安心して暮らせる社会であってほしいです。
(新聞「農民」2016.6.13付)
|