「農民」記事データベース20160606-1216-04

農のこころ

丸山美沙夫


 代掻きの千の波頭に眩(くら)み出す

               小林 茂敏

 俳誌『白炎』から。田に水が入り代掻きがはじまると、田園の景は一変して光り輝く。この句は、代掻きで田面を揺らすさざ波である。それを「千の波頭」と表現している。一枚の田もこうして捉えると、雄大な眺めであり、目がくらむように感じたのである。渋とく農に生きる誇りが、その稲づくりの水田に漲るとき。

(新聞「農民」2016.6.6付)
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2016年6月

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