公害地球懇が学習会と総会開く
川内原発(鹿児島)はすぐ停止を
新潟大学名誉教授地質学者
立石雅昭さんが講演
公害・地球環境問題懇談会(公害地球懇)は5月14日、東京都内で総会を開き、約50人が参加しました。
総会に先立って行われた学習会では、「地震列島、日本の原発――熊本地震は警告する」をテーマに、地質学者で新潟大学名誉教授の立石雅昭さんが講演しました。
立石さんは、熊本・大分地震では、震度7の大地震が2回も起き、それを地質学者も予見できなかったことについて、「現在の地震研究の到達(の不十分さ)をよくあらわしている」と述べるとともに、「余震の震源地が移動しており、今後もどのように移動していくのか研究者もわかっていない」と説明。
そのうえで、原子力規制委員会が「(川内原発を)止めるべき科学的根拠はない」としたことを、「本末転倒の議論だ。熊本地震では、震源地の移動や余震の大きさなど、これまでの地震学では説明できない新たな問題が生じており、『それでも安全だ』というなら、九州電力と原子力規制委は、不安に思う国民が納得する説明をするべきだ。とくに稼働中の原発には特有の危険性があり、自動停止の機能があったとしても、冷却システムが被害を受ければ、大惨事が起こる。川内原発はまず止めるのが、当然の措置だ」と指摘しました。
安倍政権は、原発と石炭火力発電をベースロード電源とするとした「地球温暖化対策計画」を5月13日に閣議決定しています。総会では、「公害や環境問題に取り組む私たちにとっても、いまの政治を変えることが重要だ。安倍政権の暴走政治を止めよう」と、確認し合いました。
(新聞「農民」2016.5.30付)
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