「農民」記事データベース20160502-1212-16

熊本地震

強い余震続く 被災地広がる

全国の農民連次々と現地入り


 4月14日に熊本県で最大震度7、マグニチュード(M)6・5の地震が発生し、16日未明にも熊本市などでM7・3、震度7の地震があり、その後も熊本県や大分県で大きな地震が続いています。

 25日の時点で、震災関連死を含めて61人の方が亡くなり、約6万人の方が体育館などの避難所で夜を明かしています。

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倒壊した家屋(益城町)

 農民連は、笹渡義夫副会長がかけつけたほか、支援を全国に呼びかけ、福岡、宮崎、福島の各農民連が現地入りしました。

 また、米や野菜、水、生活必需品などが全国の都道府県農民連、地域の農民連、日本販売農業協同組合連合会(日販連)傘下の農協から寄せられています。

 引き続き、救援募金を呼びかけます。

 救援募金送り先
 ゆうちょ銀行から振込む場合
 記号 10030 番号 61671711
 名義 農民連災害対策本部
 他の金融機関から振込む場合
 店名 008 普通 6167171
 名義 農民連災害対策本部


届けた弁当・水に長蛇の列

強震におびえながら後片付け

福岡 若宮農民組合 藤嶋 嘉子

 4月17日、支援の食糧の弁当100人分と水350リットルを積み込み、被災地に入りました。

 九州自動車道は熊本手前で通行止めのため途中から国道を走行、自衛隊や警察の災害派遣の車などで渋滞です。熊本市内の熊本県農民連をめざして午後4時に到着しました。県農民連の笹渕賢吾会長と天草の青山司さんが待っていました。

 福岡・みのう農民組合の佐々木裕記さんが先に到着し、持ってきたおにぎり300個を、くわみず病院(全日本民主医療機関連合会)に下ろし、笹渕会長の案内で今回被害が一番ひどい益城(ましき)町に入りました。すべての家屋が倒壊し、道路は至るところで陥没したり、亀裂が入ったりと支援の車が入りにくい状態です。

 町内の人たちに声をかけてお弁当を渡しました。電気はこない、水も出ない中、後片付けに追われ余震におびえて過ごされています。

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お弁当を手渡しました(益城町)

 町の総合体育館に1000人以上の方々が避難され、館内や車中で夜を明かされています。自衛隊が配る夕食の弁当に長蛇の列ができていました。

 私たち農民ができるのはやはり食糧の支援だと感じました。


フェイスブック訴えみた友

支援食糧多く持ち寄る

福岡 みのう農民組合 佐々木裕記

 16日に、さっそく水、米、漬け物などを持って熊本にかけつけました。私のフェイスブックを通して、支援物資のピストン輸送の呼びかけを行いました。

 17日は、水200リットル、おにぎり300個を持ってピストン場所の南関インターへ向かいました。「フェイスブックを見たよ」という友達が各停留予定のパーキングにいてくれて、水100リットル、おにぎり100個を支援してくれました。

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おにぎりと水が喜ばれました(益城町)

 私が熊本県に支援物資を届けている情報を多くの友人が拡散してくれて、力になれないかという電話ももらいました。

 益城町では、地元の消防団の方が手信号をしていました。電気も水もガスもないので、皆さん怖い思いをしているのだと心底感じました。

 現地で支援物資を渡すときに、これほどまでに「ありがとう」と思われたのは初めてだったのと、少量しか持ってこられなかった自分に悲しい気持ちになりました。「また来ます」と、被災地を後にしました。

 帰り着いたのは翌朝午前3時。体がくたくたになりましたが、すぐに頑張る準備をしました!

 今回を機に、九州の農民の仲間が団結し、新しい形を作っていきます!


食べ物届かぬ、支援さらに

全国支援うけ救援続けたい

熊本県農民連会長 笹渕 賢吾

 地震は、その後も被害が拡大し、被災者の生活は困難になっています。

 農民連の支援は16日から始まり、みのう農民組合の佐々木さんらから届けられた水、梅干し、ティッシュなどを熊本市内に届けました。「水が一番欲しかった」とたいへん喜ばれました。

 熊本国府高校に行きましたが、体育館では、女性数人がカセットコンロで米を炊き、おにぎりをつくっていて、青年も機敏に働いていました。

 益城町に入りましたが、道路の隆起、ひび割れ、家屋の倒壊がひどく、住居と小屋が倒壊した農家の話を聞くと、「庭があるので避難所への入所を断られた」と語っていました。「おにぎりもほんの少し」と手で示され、食べものが行き渡っていないことを痛感。若い夫婦が「家族が10人いますが、おにぎりをもらっていいですか」と尋ねてきました。

 引き続き、全国のみなさんの支援を受けて、被災者への救援活動をしていきたいと思います。

(新聞「農民」2016.5.2付)
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2016年5月

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