TPP批准絶対反対
山形おきたま農協職員OB
金田 茂也さん(白鷹町)
批准後の将来がみえない
農地を次世代につなぐのは使命
安倍政権は、3年前のTPP交渉の前提としていた5品目には手出しをさせないとの公約をほごにして、大筋合意しました。しかし、報道されているように6000ページにも上る協定書が現在でもすべてが和訳されたわけではないと聞きます。
このような中で、総論賛成、各論反対を唱える人が多い。当地区でも農業のみならず多様化した職業があり、家族間でさえ価値観がバラバラです。有利に輸出できるといわれていた車の輸出関税は25年から30年後に撤廃とのこと。一方、農産物は早期に撤廃対象となり、将来の状況がみえない中で短期間に協定を結ぶことは絶対反対です。
当地区は、夏の参院選において、自民党候補に元農協系統OBを擁立する一方、対立候補として元参議員の舟山康江氏を擁立しています。TPPについては、舟山氏は、はっきりと国会批准を阻止すると明言しています。現時点では、県農政連はどちらにも明確な推薦を示してはいませんが、前回舟山氏を推薦して、惜敗しているので、その判断が待たれるところです。
農協・農業をめぐる厳しい政策が目白押し。世界に通じる農業だけが生き残れるのではなく、先祖から脈々と守り育てられた農地を次世代につないでゆくことがわれわれの使命だと思っています。現在上映中の「無音の叫び声」の農民詩人、木村廸夫氏のように生きたいものです。
(新聞「農民」2016.4.11付)
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