レポート
『遺伝子組み換え失敗の20年』
グリーンピース・ジャパン 日本語版発表
GM「神話」は現実とかい離
生態系農業こそが解決策
国際環境NGOグリーンピース・ジャパンはこのほど、アメリカでの商業栽培開始から20年以上が経過した遺伝子組み換え作物に関する最新の科学的、社会的な実態を分析したレポート「遺伝子組み換え失敗の20年〜遺伝子組み換え作物をめぐる7つの『神話』と現実〜」を発表しました。
レポートでは遺伝子組み換え作物は「世界の食料供給」および「気候変動への対応」のかぎとなるという「神話」は現実とかい離しており、生物多様性を保ちながら気候変動に対応する生態系農業(アグロエコロジー)こそが解決策であると指摘します。
「遺伝子組み換え失敗の20年」は、次のホームページ・アドレスから閲覧できます。
http://www.greenpeace.org/japan/Global/japan/pdf/gmo20yrs_jp.pdf
収量増のためのGM食品でない
グリーンピース・ジャパン食と農業担当の関根彩子さんの話
遺伝子組み換え作物は世界の食料需要を満たすことができると宣伝してきましたが、収量増を目的として開発された遺伝子組み換え作物はありません。食料不足に苦しむ地域に必要なのは、地域の資源や生態系を活用して小規模農家が生計向上をはかることであり、一握りの企業が特許で種子を支配する農業ではありません。
日本は遺伝子組み換えダイズの割合が全体の94%を占めるアメリカから、年間約180万トン近くものダイズを輸入しています。そのうえ日本の遺伝子組み換え食品への表示義務は緩く抜け穴も多いため、私たち消費者は意図せず遺伝子組み換え産業を支えています。
遺伝子組み換え作物は生態系を破壊し安全に疑いがあることを認識し、遺伝子組み換え作物ではなく生物多様性を育む生態系農業を支える社会を選び取ることが必要です。
(新聞「農民」2016.3.14付)
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