「農民」記事データベース20160307-1204-09

旬の味


 雪国の厳冬期に雨が降ると米が不作になるとのことわざがある。例年、氷点下が続く大寒に今年は雷雨となった。長く米作りをしてきたが、いやな予感がする▼北秋田市の伝統行事「雪中稲刈り」の占いも不作と出た。科学的根拠は乏しいが、不安が募る。頻繁に起きる異常気象のなか、五感で判断する農民の“勘ピューター”は、原発の安全神話より精度がまさることは確かだ。栽培技術に細心の注意が必要である▼93年の大凶作で米屋に長い列ができ、まずい外米と抱き合わせで辛うじて米を手にした苦い思い出がある。あのときは冷害だったが、今は何でもありの時代。世論を無視し、再稼働した原発の恐怖が加わった。消費者は備えあれば憂いなし。安全、美味の国産米を確保するルートを今一度確かめることをお勧めしたい▼作り手と食べる人の連携を太く強くし、信頼の下に安定供給が求められる。米に限らず、国産の食料すべてを私たちの手元、食卓に意識的に手繰り寄せることが、今後ますます重要になる。

(長)

(新聞「農民」2016.3.7付)
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2016年3月

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