生・消で手をつなごう
TPPに対抗する
希望がここにある
第18回大豆畑トラスト運動全国交流会
関連/困難だけど作り続けたい
「生産者と消費者が手をつなぎ、国産大豆の生産を高めよう」と、第18回大豆畑トラスト運動全国交流会が2月23日、東京・目黒区緑が丘文化会館で開かれ、生産者や消費者らが集まりました。主催は、遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン。
GM食品の開発力合わせ阻止を
食政策センター・ビジョン21の安田節子さんが、TPP協定の「概要」を例に、「TPPと新たな食品汚染の時代」のテーマで講演。遺伝子組み換え(GM)の安全性評価の審議会にアメリカ企業などの利害関係者が参加し、審議時間も短縮され、GM食品の認可も加速。さらに、未認可のGM原材料が食品に微量混入しても容認されるおそれを指摘しました。
続いて、「グローバル経済に左右されない食料、エネルギー、助け合いの地域自給圏を作り上げよう。自給運動の先駆けであり、厳しい時代の希望、大豆畑トラスト運動をさらに広げよう」と呼びかけました。
GM食品の現状について、キャンペーンの天笠啓祐代表が報告し、アメリカでGMリンゴやサケが承認され、日本でも稲や小麦などで開発や試験栽培が実施されていることを指摘。欧州では、ドイツ、フランスなど栽培禁止国が広がり、旧ソ連や中国でも拒否や規制強化に乗り出していること、アメリカでも表示運動が空前の盛り上がりを示していることなどを紹介し、「日本でも、トラスト運動をはじめ、GMナタネ自生調査、表示を求める署名運動など、反対運動が定着しつつある。ここにこそTPPに対抗する希望がある」と述べました。
輸出大豆の栽培進める実態告発
東京新聞の土田修編集委員が、「モザンビークで日本政府が進める大豆生産の現状と問題点」について語り、モザンビーク北部の熱帯サバンナ地帯で、ブラジルや日本がODA(政府開発援助)などを活用しながら、輸出用大豆の大規模栽培を進めている実態を告発。モザンビークの農民組織が「農民は土地と自律した生産を奪われる」として、安倍首相に、事業の停止を求める公開書簡を提出したことを報告しました。
大豆料理がズラリ
お昼のランチ交流会は、トラスト生産地の米と、秀明自然農法ネットワーク(茨城県取手市)のみなさんによる、大豆、しょうゆ、みそを使った料理が並び、参加者は舌鼓を打ちました。
―生産者からも決意が
生産地からの報告では、農民連会員も発言し、困難ななかでも生産を続ける力強い決意が語られました。福岡・みのう農民組合の金子徳子さんは、トラスト運動の18年を振り返り、さまざまな交流やイベントに取り組んできたことを紹介しながら、参加者が企画に積極的に関わり、お互いの交流も進み、各方面に広げている様子を報告。生産者、消費者ともに高齢化している課題をあげ、「新たな加入者、後継者を発掘する必要がある」と述べました。
トラスト発足時から運動に取り組んでいる千葉・東総農民センターの寺本幸一さん(匝瑳(そうさ)市)は、荒れた農地の解消を目的に始めたトラスト運動も、今では自分の息子や、「みやもと山みそみそ♪ハウスの会」の齊藤超さんら若手の手伝いをしながら、新規就農者の応援に力を入れています。
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「若い人たちにも大豆づくりを」と報告する寺本さん |
石川県農民連の宮岸美則会長も、自らは大豆の生産から離れているものの、「若い事務局員や米農家に大豆づくりを引き継いでいきたい」と決意を語りました。
兵庫県農民連の辻本悦子さんは、「大豆を大規模に生産している農家を買い支える運動として継続してきたが、新品種で、新日本婦人の会のみなさんとのみそ作りも盛んになっている。今年も続けていきたい」と報告しました。
(新聞「農民」2016.3.7付)
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