COP21
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パリ協定採択の瞬間。中央はファビウスCOP21議長(フランス外務大臣)、その左がフィゲレス条約事務局長 |
今回のCOP21では、たしかにアメリカに配慮して内容が緩められた側面はあると思います。今年はアメリカ大統領選挙の年です。もし大統領が気候変動を否定する共和党候補になると、かつてブッシュ大統領が京都議定書から離脱したようなことも考えられ、このCOP21で合意してしまわないと、合意の機会を逃しかねないとの思いが世界の合意を促進しました。
またアメリカは、「共和党が多数を握る上院での批准手続きを経ずに、オバマ大統領の任期中に大統領権限で通すためには、新たな国際義務を負うことはできない」と主張し、「義務化」を定めた表現がどんどん削られました。でもそうしなければ、合意はできなかった。議長国フランスのオランド大統領が「皆が100%を求めれば、誰もがゼロしか手にできない」と言いましたが、そういう国際状況でもあったのです。
パリ協定はまだ始まり、第一歩です。実効性には課題があります。これからこれを実施させるための世界のルールを具体的につくり、各国にきちんと削減を実施させていかなければなりません。
電力供給のうち20〜22%を原発でまかない、CO2を大量排出する石炭火力発電を26%に増やす、その一方で再生可能エネルギーは22〜24%しか見込まないという、このエネルギー計画を変えていかなければなりません。こうした日本政府の姿勢をどう変えるか。私たち日本の市民にとって、まさにこれからが正念場です。
●産業革命以前からの世界の気温上昇を、「2度未満を十分に下回る水準」を目標とし、「1・5度未満」への抑制を努力目標として明記●この目標を達成するため、今世紀後半に人間活動による温室効果ガスの排出を、実質的にゼロにする
●先進国、途上国を問わず全ての国が削減目標をつくって提出し、その達成のために国内で削減措置をとることを義務付け
●各国は国別目標を5年ごとに提出し、国際的な進捗(しんちょく)確認を行う
●国別目標は、それ以前の目標を上回るものとし、その国ができるもっとも高い水準でなければならない
●気候変動による防ぎきれない「損失と被害」があることを独立した条項を立てて認め、国際的な対応の仕組みを強化する
●先進国が途上国に資金支援する義務を明記
●他国で行った排出削減を、自国の目標達成に充てる国際オフセット制度の活用を奨励
●世界の排出量の55%を超える、55カ国以上の国が批准した日から30日で発効する
[2016年2月]
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