「農民」記事データベース20160222-1202-03

国境越え阻止の包囲網を

葬れTPP!
国際シンポ開く

関連/TPPの問題点探る


 「TPPに反対する人々の運動」は1月30日、都内で「つながれアジア! 葬れTPP! 国際シンポジウム」を開きました。

 3人が報告し、マレーシアのファウワズ・アブドゥル・アズィズさん(ジャーナリスト)は、マレー人とその他の先住民族を経済的に優遇するブミプトラ政策について述べ、マレーシア政府がTPP参加表明後、外国投資を呼び込むための数々の自由化政策を打ち出し、優遇政策が緩和されてしまったことを紹介しました。

 また、市民が、TPPの投資とISDS(投資家対国家紛争解決)、政府調達と国有企業について、懸念をもっていることを指摘し、秘密主義や漏えい文書に依存せざるをえない問題点を解決することが反対運動を進めていくうえで課題になっていることを報告しました。

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討論する(左から)アズィズさん、チョンさん、(2人おいて)モアナさん

 韓国のチョン・テインさん(韓米FTA阻止汎国民運動本部長)は、韓米FTA(自由貿易協定)が民営化と規制緩和(市場原理主義)への片道切符になっていることを強調し、TPPでさらに、サービス、知的財産、投資の分野が攻撃され、公的部門が破壊される恐れに危機感を表明しました。

 韓国でも、ISDSにまつわる訴訟が、ベルギー、オランダ、イランなど2国間投資協定で提起され、係争中であることを紹介しました。

 ニュージーランドのモアナ・マリー・マニアポトさん(シンガー・ソングライター)は、「先住民マオリの伝統的な知識は、多くの世代によって蓄積された共有物であり、金もうけとは無関係なもの」と語り、TPPやFTA、多国間投資協定などによって、伝統的知識やマオリの権利は保護されず、侵害されてきたことを告発しました。

 今後、すべてのものの商品化が急速に進む世界のなかで、「マオリは今まで以上に、未来世代に対する守護者として、祖先から受け継いだ責任を果たしてきたい」と表明しました。

 最後に、「私たちは、それぞれの国内で批准阻止のたたかいに全力をあげると同時に、そのたたかいを、国境を越えてつなぎ、アジア・太平洋地域の先住民、農漁民、都市生活者、労働者らによるTPP成立阻止の包囲網をつくり出すことを呼びかけます」とするアピールを採択しました。


岐阜食健連

TPPの問題点探る

内田聖子さん招き講演会

 岐阜食健連は1月24日、総会記念として「TPP大筋合意を問う」というテーマでアジア太平洋資料センター(PARC)事務局長の内田聖子さんを招いて記念講演会を開催しました。

 会場は各務原市産業文化センターです。今回は岐阜民医連、NPO法人地域と協同の研究センターの協賛もありました。当日は、農民連や新日本婦人の会、民医連の会員や職員を中心に約60人が参加しました。

 内田さんはハワイやアトランタでのTPPの交渉経緯に詳しく触れながら、その背後にある米多国籍企業の思惑が大きく動いていることを踏まえ、この協定の持っている問題点を農業、医療、食の安心・安全など項目別に解明しました。

 怒りとともに、あらためて反対運動が重要であることを痛感しました。

(岐阜県農民連 熊崎辰広)

(新聞「農民」2016.2.22付)
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2016年2月

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