農民連女性部第27回総会つなげよう!つくる喜び広げよう!食料主権と平和への願いを
農民連女性部の第27回総会が1月29、30の両日、東京都内で開催され、90人を超える女性たちが集まりました。今年のテーマは、「つなげよう!つくる喜び 広げよう!食糧主権と平和への願いを」です。総会はまさに、仲間とつながり合う大切さ、そしてもの作りと“政治を変えたい”という熱い思いがあふれるものとなりました。
もの作りを未来への希望にTPPはまだ決まっていない農民連の真嶋良孝副会長のTPP報告につづいて、女性部事務局長の藤原麻子さんが議案を提案しました。藤原さんは、戦争法やTPPなど暴走を続ける安倍政権を、国民が共同の力で包囲している情勢にも触れながら、「TPPも戦争法もたたかいはまだこれから。仲間を広げて、未来への希望につなげましょう」と呼びかけました。
販売は農家の力討論では、これに応えるように、笑顔あり、涙あり、元気で率直な発言が相次ぎました。千葉県の香取美乃さんの「朝市の仲間で出荷団体をつくり、道の駅で農産物や加工品を売っている。とても好評で、昨年は私一人分でも、15俵分のもち米がかき餅で売れ、今年は30俵の勢いだ。恵方(えほう)巻も仲間6人で今年は1000本作ろうと話し合っている」という話に、会場はどよめきました。香取さんは、朝4時半起きで加工する苦労も話しながら、「私たちがこんなにがんばれるのは、せっかく農家の加工品が好評を得ている道の駅に、業者を入れさせたくないから。やっぱり作って売ることは農家の力になる」と述べ、大きな拍手がわきました。 愛媛県の兵頭栄子さんも、道の駅にみかんを出しています。最初はかんきつ類の出品は農協が独占していましたが、「顔の見えない直売はおかしい」と運動し、昨年から個人農家も出荷できるようになった経験をユーモアたっぷりに紹介。「私の名前で買ってくれるお客さんが増えるよう、みかんづくりをがんばりたい」と話しました。
加工で元気に宮城県の渡辺生子さんは、シャーベットの加工所兼直売所を開設したことを報告しました。2年前に東京から栗原市に移住し、8反の田畑を耕作する渡辺さん。「田舎暮らしに憧れて宮城に来たのに、耕作放棄地に柳が生い茂る光景に心が痛んでいた。規格外農産物が捨てられていることを知り、なんとか余すところなく活用しようと、地域の農家と協力して昨年、加工所をつくった」と発言。放棄された大型ハウスにビワを植えるなど、地域農業の活性化にもなっており、「私たちの取り組みは、農業を企業のもうけにしようという上からの6次産業化ではない。地域を見直し、農家が誇りを持てるようにしていきたい」と話す渡辺さんに、会場から共感の拍手が送られました。
地域に女性部を三重県の中西実子さんは、昨年、奈良で開催された総会に一人で参加し、全国の女性たちのパワーに感動。「三重でも女性部をつくりたい。でも農民連の会議は男ばかり。どこに女性がおるん?」と県農民連の役員を務める夫に相談。仲良くしている近所のご夫婦にも会員になってもらい、県内の他の地域の農民連の女性たちとも連絡を取り合って、今回の総会には3人で参加しました。「地域に仲間ができたことで、昨年は戦争法反対の運動でも、一緒に取り組むことができた。三重県にもなんとしても女性部をつくっていきたい」と、抱負を語りました。
パワーもらった福島県からは、南相馬市の渡部チイ子さんが、人口減少や原発事故からの復興の大変さのなかでも、女性たちが共同でワタをつくり、地域のNPO(非営利団体)と協力して、アクセサリーの材料に提供した取り組みを報告。昨年に地域農民連が結成された南会津からは野中洋子さんが、「昨年夏の水害では、仲間に加わったばかりの私たちに、農民連から義援金が届けられ、ものすごくパワーをもらった。高齢者ばかりの中山間地だけど、私たちばあちゃんが元気でいようと、野菜産直の相談を始めた」と発言しました。また、昨年、農民連女性部で取り組んだ「農村女性アンケート」調査の結果を、女性部役員会を代表して愛知県の本多操さんが報告。この調査結果を携えて、2月13日からスイスで始まる「女性差別撤廃条約」の日本政府審査に、婦団連(日本婦人団体連合会)代表団の一員として参加する久保田みき子部長が、日本の農村女性の実態を国連に届ける決意を語りました。 日本国際ボランティアセンター事務局長の長谷部貴俊さんが講演。婦団連、全労連女性部、新日本婦人の会、日本共産党から紙智子参院議員と斉藤和子、畠山和也(交流会)両衆院議員が、それぞれ来賓あいさつしました。
交流会も大盛況29日夜には、女性部会総会恒例の交流会が開かれ、全国から自慢の手作り料理が大集合しました。奈良県女性部がオリジナル曲「ありがとうソング」で踊りを披露するなど大盛況。最後に、女性部役員有志でつくる“踊り部”のリードで、参加者全員でNHKの朝ドラ「朝が来た」の主題歌「365日の紙飛行機」に合わせて楽しく踊って、お開きとなりました。
(新聞「農民」2016.2.15付)
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[2016年2月]
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