「農民」記事データベース20160208-1200-09

旬の味


 氷点下の風が吹きすさぶ中、地元農家総出で、ため池堤防の草刈りをしています。最近わが地区の稲作の歴史に触れ、宅地化の波にのまれつつある田畑に、改めて強い愛着と危機感を持っています。水田が長さ1町(60間=109メートル)に区画整理されているのです。これは古代から中世に整備された「条里制」の遺構とのこと▼また、ため池すぐ隣の山にまつられている弁才天には、「貞享三丙寅春築之(1686年の春にこれを作る)」と彫られていました。弁才天は水の守護神。池はこの時代からあったのです。ご先祖たちが生きるために人力で築いてきた水田、ため池、用水路が今に引き継がれています▼宅地並み課税や米価下落により、近年急速に緑豊かな田園地帯が、今度は重機であっという間に埋め立てられていきます。付近にはまともな公園もありません▼昨春できた「都市農業振興基本法」で都市農地を「宅地化すべきもの」から「保全すべきもの」へと改めるとのこと。実効ある制度を求めます。

(梅)

(新聞「農民」2016.2.8付)
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2016年2月

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