宮崎県の
冬の風物詩
息の合った農民
流れ作業でやぐらかけ
宮崎県の風物詩である「大根やぐら」の時期が訪れました。何本もの木や竹を使用して、大きな大きなやぐらが組まれます。
12月に入ってから西風が吹くとともに、大きく成長した大根を収穫して持ち帰って洗うことから始まります。次に2本ずつに縛った大根を、息の合った流れ作業でやぐらにかけていきます。
大根の大きさによりますが、10日ほどで干し上がったら、やぐらから降ろして、次の大根を干していきます。1月いっぱいまでに、2回半ほど同じ作業を繰り返します。
寒ければ寒いほど
甘味を増す干し大根の漬物
干し大根は、寒ければ寒いほど甘みが増し、おいしい漬物ができるそうです。しかし、あまりにも寒い夜には、大根が凍ってしまうので、一晩中やぐらの中をストーブで温めます。この時期は、生産者は寒さと睡眠不足に悩まされますが、昨年から宮崎は雨が多く、生産者は“暖冬のために良いものができない”と心配しながら“もう少し寒くなってほしい”と願っています。
干し大根で作った生産者の漬物は、それぞれ違った味がし、まさに「農家のかあちゃんの味!!」です。申告計算会では、お茶の請けとして出される「漬物」を食べるのが楽しみです。
大きなやぐらがあちらこちらに現れる素晴らしい景色は、農民の知恵と力で作られてきました。何段にもかけられた大根を下から見上げると感動すら覚えます。
(宮崎県農民連 吉田久美子)
(新聞「農民」2016.1.18付)
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