壊れた家、荒れた田畑失った
農家の人々の悲しみ感じた
群馬農民連女性部
福島原発被災視察
2015年11月17日、群馬農民連女性部は念願の福島原発被災地視察をに行き、男性4人を含む22人が参加しました。
いわき市を過ぎ浜通りに入ると、車窓から黒々とした放射能汚染物質の仮置き場や瓦屋根のぐし(屋根の棟)の部分が白いビニールで覆われている家々が見えてきました。
道路沿いの壊れた家や、荒れた田畑などを見ながら相馬市の浜通り農民連直売所「野馬土」に行き、直売所のカフェで昼食をとりました。
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「野馬士」で買い物をしました |
午後は副会長の三浦広志さんが案内。浪江町の「希望の牧場」では、国の殺処分に抵抗して被ばくした330頭の和牛が広い柵の中で、一塊になってたたずんでいました。当日は留守でしたが、「私たち人間に必ず何か教えてくれるはず」と無報酬、多額のエサ代を抱え、支援を訴えながらがんばっている方がいました。
5年目を迎えようとする今、高校生の自転車もバスもあの日のまま、家も壊れたまま、庭先の柿の木だけが大きな実をつけ、家人の帰りを待っているように見えました。
この広大な面積、住み慣れた家や田畑を失った人々の悲しみ、心の傷を国や東電は何をもって償うのでしょうか。
三浦さんは「農民連があってよかった。事故が起きて数日後に、仲間とともに国会請願に行くことができた。今はつらいけど30年後、50年後を見据えてがんばる」と話していました。
(群馬・利根沼田農民連 井上さだ子)
(新聞「農民」2016.1.4付)
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