ひょっこり読者訪問
新聞「農民」読者
トウモロコシ生産
松岡雅文さん(69)=香川
農協出荷やめ直接消費者へ
2年続きの天候不順で、昨年に引き続き今年も米は不作という秋。今回は、昨年9月に新聞「農民」が読みたいと読者になった方にスポットを当てました。
松岡雅文さん(69)です。4年前に大阪から香川県多度津町の実家に、介護を兼ねて帰農しました。弟さんと二人で水田3反2畝、ブロッコリー4反を作っています。そのうち8畝で「トウモロコシ」を作っています。
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ブロッコリー畑で松岡さん |
トウモロコシ作りは農協がブロッコリーの裏作として作ることを提案した3年前に700本から始めたそうです。
2年前は2000粒で苗から育て、害虫被害に気づいたときには、もう時遅し。ほとんど出荷できず、加えて出荷したもののその価格の安さにがく然としたそうです。こうした経験から1年前に出荷はせず、直接消費者に届ける直売方式にしようと一念発起。ほ場周辺の県道に立て看板を立て、地域にビラ700枚をまき、年金者組合で訴えてと大奮闘。2回の即売会を開催しました。
“朝どり”生で食べ甘さを実感
自力で収穫できる楽しさも味わえる
そこで得た感触は何と言っても「朝どり」「自分で収穫する楽しみ」で、トウモロコシを「生」で食べるおいしさを消費者が実感してもらったことでした。
「孫が来るので10本ほしい」「おいしかったので、また10本」「ビラを見て買いにきた」と20人近くの消費者も発見。消費者の生の声に励まされ、松岡さんが確信したのは「トウモロコシが大好きな人は確かにいる!」ということでした。そうした消費者の期待に応えて「即売会で1000本は販売できる」と自信を付けたことが昨年の何よりの収穫でした。
今年もブロッコリーの裏作にゴールドラッシュ種5000本を植え付けしました。作付けも3回に分け、収穫時期も計画化して、その都度ビラを900枚配布。そのセールスポイントはなんといっても「朝どり・生食」でした。
また、来年のために、昔の教職員仲間に5月末には試食用を郵送して来年の予約注文も取りました。
消費者にはなじみがなかった「朝どりトウモロコシを生で食べるその甘さ」を実感してもらい、消費者に自分で収穫する楽しさを体験してもらう「甘さと楽しさ」を売りに来年も頑張れると、農業の楽しさが伝わってくる松岡さん。消費者とともに育つ農業者という印象をもちました。
読者のみなさんも来年、ぜひ「朝どり生食のおいしさ」を実感してみては、いかがですか。お勧めします。
(香川県農民連 福井利夫)
(新聞「農民」2015.11.23付)
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