台風15号農業被害
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強風被害がとくに大きい山手地区の稲刈り |
さらに、米の検査機関が出した品種別、集荷先ごとの検査結果集計表で、主力品種コシヒカリの集計(9月29日検査現在)では、県全体の1等米比率が81・6%であるのに対して阿賀野市の2農協、JAささかみが4・3%、JA北蒲みなみが1・3%で、一けた台の下の方と、とんでもなく低い数字になっています。
等級落ちの場合、価格は大幅に下がります。2等米で約1000円落ち、3等米では約2500円落ち、規格外の米は「いくらになるかわからない」(JA関係者)といわれています。
9月26日現在の市の等級落ちによる農家の収入減は、両農協出荷のうるち米分だけで試算しても1億3000万円を超えます(規格外は3000円落ちとして計算)。台風15号による猛烈なフェーン現象の影響とみられ、収量が3割、4割減、中には収穫皆無と思われる地域もある中で、農家にはダブルパンチです。30年、40年と米作りをしている農家からも「こんなひどい年は初めてだ」という声が聞かれます。
田中市長(左)に申し入れる農民連阿賀野支部の人たち |
農民連の佐藤博支部長、町田擴事務局長らは、「刈り取りするにしたがって、収量大幅減、品質の低下で市内全域では大変な実態が明らかになっている。激甚災害に匹敵する被害だが、収入が半減しても現行の共済制度では救われない」などと、特別の救済対策を求めました。
田中市長は「皆さんのお話をしっかり受け止めて、関係機関にじかに交渉するなど、対策を取りたい」と答えました。小林広農林課長は、(1)多用途米等の出荷目標の基礎になる基準反収は、現行制度では下越北地域の作況指数(9月中旬現在で97)にそって変更できることになっているが、阿賀野市独自の調査に基づいて変更できないか、農政局に要望している(2)市が保証料を負担するJAの緊急支援資金は、JA出荷以外のものでも出荷証明、記帳などで被害額が明らかにできれば対象になる――ことなどを明らかにしました。
[2015年11月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
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