米価暴落の抜本対策を
TPP「大筋合意」を撤回せよ
白石会長先頭に
農民連が農水省交渉
農民連は10月22日、衆院第一議員会館で、「TPP『大筋合意』の撤回、米価暴落の抜本対策を求める要請」を農水省に対して行いました。
冒頭、白石淳一会長は、「TPP『大筋合意』で、安倍首相は重要5品目を守ったと言っているが、国会決議違反は明らかだ。大変な状況を受け入れたことを真しに受け止めるべきだ。暴落している米価回復のための対策をとれ」と求めました。
輸出をふやすだけ
はじめに、農水省は、「『国会決議が守られていないのではないか』という批判が多く寄せられている。対策本部を設置し、国内対策を実施する。TPPで生かすべき点もある。今後、国会で審議し、判断してもらう」と述べ、米、麦、牛・豚肉、乳製品、果樹(果汁)についても説明を受けました。
「対策本部とは何をするのか」との質問に対して、「国内農業への影響を最小限にし、再生産可能にするための対策本部」だと説明し、農業への影響があることを認めました。「生かすべき点」についても、「輸出を増やす」と答えるだけでした。
米のアメリカ枠・豪州枠を新設したことについて、「輸入相当量を確実に備蓄米で買い取り、市場への影響は遮断する」と説明しましたが、低価格の外米が輸入され、業務用との競合は認めざるをえませんでした。
また、食料自給率目標45%は、TPP・日豪FTA(自由貿易協定)を含まない目標で見直すこともありうると言及しました。
笹渡義夫副会長は、「国会決議に正面から違反しているのは明らかだ。これでは、日本に農業はいらないというに等しい。引き続き、大筋合意の撤回、国会批准を許さないたたかいを進める」と訴えました。
安心して続けたい
米価問題で、農水省は、「価格水準は上がっている。流通の中で価格形成がされるものと考える。米価支持のための買い入れはしない。需要に応じた生産をやっていく必要がある」と従来の答弁を繰り返しました。
真嶋良孝副会長は「輸入米は備蓄ができて、なぜ国産米は備蓄ができないのか。需要に応じた生産というなら、輸入を減らせ」と批判しました。
参加者からは「米価が上がったというが、不作による収量不足のために収入はむしろ減っている。農村は耕作放棄地が増え、コンバインの更新時期だが、更新できない」(千葉県農民連の大木伝一郎会長)、「米作りを趣味でやっているのではない。若い人が農業を安心して続けられる施策を」(広島県農民連の木戸菊雄副委員長)などの声があがりました。
日本共産党の畠山和也、斎藤和子の両衆院議員も同席し、連帯のあいさつをしました。
(新聞「農民」2015.11.2付)
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