農民連全国代表者会議
農民の切実な要求とりあげ
会員・読者拡大 総対話運動を
TPP「大筋合意」撤回
戦争法廃止・安倍政権打倒
たたかいはこれから
いま農民連の“出番”
鈴木東大教授が「特別講演」
戦争法強行可決、TPP「大筋合意」などの安倍暴走政治とたたかう方針を意思統一する農民連全国代表者会議が10月21、22の両日、都内で開かれ、37都道府県から約100人が参加しました。
白石淳一会長が開会のあいさつ。「戦争法廃止をはじめとする、安倍政権を包囲するたたかいの到達点を踏まえて、TPP『大筋合意』の撤回を、戦争法廃止を求める行動に合流させ、安倍政権を退陣に追い込もう。歴史的情勢にふさわしい農民連組織の拡大を」と呼びかけました。
来賓として、日本共産の紙智子参院議員(党農林・漁民局長)があいさつし、国民の怒りがうずまくなかで、戦争法廃止、立憲主義を取り戻す国民連合政府樹立への協力を呼びかけました。
「TPPをめぐる情勢と今後の対応策」のテーマで、東京大学の鈴木宜弘教授が特別講演。困難が予想される各国の議会承認の現状、譲歩に譲歩を重ねた日本政府への批判を語り、「最後まで、強い覚悟をもって、われわれの食と農とくらしの未来を切り開こう。たたかいはこれから」と激励しました。
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TPP合意撤回の展望が語られた鈴木教授の講演 |
安倍政権打倒の展望きりひらく
常任委員会を代表して報告に立った吉川利明事務局長は、「安倍1強とマスコミが報道するが、国民のたたかいが安倍政権を追いつめ、打倒の展望をきり開いてきた」「TPP『大筋合意』は最終合意ではない。これからのたたかいでTPPはつぶせる」ことをはじめに強調しました。
この秋のたたかいの柱として、(1)TPP阻止、戦争法廃止など、あらゆるたたかいを安倍政権打倒に結集し、国民的なたたかいへと合流すること、全国食健連のグリーンウエーブ行動を情勢にふさわしく大きく発展させること、(2)米価をはじめとする農民の切実な要求をくみ上げ、その実現に全力を尽くすこと、(3)歴史的情勢のもとで農民との総対話をすすめ、たたかいの発展の中で会員と読者の拡大、会員のいない空白地域への組織作りを発展させる「TPPストップ! 安倍政権打倒、会員・読者拡大、総対話運動」(来年1月14、15両日の全国委員会まで)を提起しました。
自治体すべてに会員つくる決意
討論では、21人が発言し、TPP「大筋合意」を受けて、「撤回、批准阻止に向けて、いまこそ農民連の出番」という意気高い発言が相次ぎました。
京都農民連の安田政教書記長は、ネットワークや地域連絡会で、農民連がTPP反対運動の中心的役割を担っていることを示し、「農民連がなかったら、反対運動はどうなっていたか」と期待の声がだされていることを紹介しました。
佐賀県農民連の平林正勝事務局長は、TPP反対の要請で県選出の国会議員6人の事務所を訪問したほか、県内自治体で請願を提出し、3市で採択されたことを述べ、「大義は農民連にある。真実を知れば運動は広がる」と、すべての自治体に会員をつくる決意を語りました。
千葉県農民連の小倉毅副会長は、越川洋一副会長が新聞「農民」の宣伝紙を1000部買い取り、地域を訪問するなかで、今までに目を向けてこなかった人たちが、今の政治に怒っていることを紹介。「今までに経験したことのない事態には、今まで経験したことのない取り組みが必要。われわれから声をかけなければ変化はつくれない」と訴えました。
香川県農民連の福井利夫事務局長も、米価問題での申し入れを県や自治体に行い、そのなかで組織づくりの必要性を痛感したことを述べ、5月に県都高松市で農民組合が結成されたことを紹介しました。
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講演への質問が相次ぐなど活発な討論が行われました |
米産直で会員が増え助け合いも
TPP反対の運動のなかで、消費者ともつながって進めていく経験も語られました。
奈良県農民連の森本吉秀会長は、アトピーをもつ子どもが3割といわれるなかで、食の安全に関心を寄せる若いお母さんたちと手を携え、学校給食に地元産農産物を採用する運動に取り組むなど、消費者と絆を広げる必要性を強調しました。
沖津由子常任委員(青森)は、地元の横浜町で新日本婦人の会の人たちと毎月、戦争法とTPP反対などの宣伝を行い、「徐々に激励の反応も寄せられるなどの変化を実感している」と効果を語りました。
地域での集落営農や法人もTPPに対するたたかいや、農業を守る大きな役割を発揮しています。
岩手県農民連の岡田現三事務局長は、米の産直で出荷者が増えるなかで、生産、出荷、販路の拡大などで助け合っていく取り組みを述べ、米産直で結びついた会員が「集落営農を立ち上げようとがんばっている」と紹介しました。
福島切り捨ての政府に怒りの声
福島県農民連の根本敬会長は、生産法人を立ち上げ、太陽光発電で再生可能エネルギーの拠点となっていることを述べ、耕作放棄地を草地化し、放牧型畜産に取り組むことを展望しました。
また、根本会長は、政府が原発事故問題で、「年間被ばく線量20ミリシーベルトでの避難指示解除、強制帰還、賠償打ち切り」の福島切り捨て策を打ち出したことに怒りの声をあげ、新聞意見広告掲載募金への協力を呼びかけました。
都市農業の問題では、都市農業振興基本法の制定をうけて、大阪農民連の田中豊書記長と東京農民連の武藤昭夫事務局長が、学習会やJAとの懇談などを通じて、基本計画策定に農民、都市住民の声を反映させる必要性を語りました。
(新聞「農民」2015.11.2付)
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