「農民」記事データベース20151026-1187-16

人類の未来がかかる
COP21(国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議)
まで1カ月

気候を守る行動を今こそ!

関連/アースパレード2015


COP21パリ会議

気温上昇“2度未満”を達成できる
温室効果ガスの削減に合意を

画像  この夏、地球の平均気温は観測史上最高を記録し、日本でも巨大台風や関東・東北豪雨など未曽有の被害に見舞われました。まさに私たちの身近に気候変動が迫り、その悪影響はいよいよ顕在化し始めています。

 こうしたなかで、今年11月末から12月にかけて、フランスのパリでCOP21(国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議)が開催されます。この会議では、地球温暖化防止に向けて、京都議定書の第2約束期間が切れる2020年以降の温室効果ガス削減の世界的なルールが作られることになっています。

 気候変動に関する科学研究をとりまとめている国連機関IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、地球規模での気温上昇や海面上昇がすでに始まっており、今のままのペースで温室効果ガスの排出が続けば、今世紀末には3・7度から4・8度も気温上昇すると予測しています。

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昨年9月のニューヨークでの気候マーチ。パン・ギムン国連事務総長(前列右から2人目)をはじめ40万人もの市民が参加し、気候変動対策の強化を訴えた(写真:UN Photo/Mark Garten)

 食糧生産も減少

 4度も気温上昇したら地球はどうなるのか――食糧・農業についていえば、気温が2度上昇しただけで、米や小麦、トウモロコシの生産量が減少し、4度上がれば、世界的にも地域的にも食糧の安全が脅かされ、2030年代以降には穀物生産量は最大で50%減少すると、IPCCは予測しています。

 こうした取り返しのつかない気候変動を回避するためには、気温上昇を「2度未満」に抑えることが世界共通の目標とされ、それには世界全体のCO2の排出量を、2050年には40〜70%削減(2010年比で)し、2100年には排出をゼロにする必要があります。

 近年、温暖化の悪影響が顕在化するなかで、欧州連合(EU)に加えてアメリカや中国などの大排出国も、再生可能エネルギーの大幅導入といった積極的な姿勢に転換しつつあり、気候変動問題は今、世界では極めて重要な政治課題として位置づけられるようになってきました。

 しかしこれまでに各国が掲げている削減目標を足し合わせても、「2度未満」を達成するにはまだまだ不十分で、COP21でのさらなる積み増しが求められています。

 後ろ向きな日本

 一方日本では、今年7月に2030年の長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)が決定されるとともに、日本の削減目標「2013年比26%削減(1990年比では18%削減)」が決定され、国連にも提出されています。

 しかし、「2度目標」を達成するには、先進国は2050年には80%削減する必要があり、環境NGOは40〜50%の削減が可能と提言しているなかで、低すぎる削減目標を掲げる日本政府の姿勢は、世界各国から大きな批判を浴びています。


気候をまもる、パリへの行進

アースパレード2015

 日本でも「気候変動を2度未満に抑えるために、パリで意味ある合意をめざそう!」「温室効果ガスの大幅削減に向け、省エネ・再エネへシフトしよう!」と、環境問題に取り組むさまざまな団体が連携し、「クライメート・アクション・ナウ!キャンペーン」として、多彩なアピール行動が取り組まれています。

 COP21直前には、パリと世界中の人々を結んだグローバル・アクションが計画されており、日本でも東京と京都で「気候をまもる、パリへの行進 アースパレード2015」への参加を呼びかけています。

▼アースパレード東京
 日時 11月28日(土)午後2時集合 集合場所
 日比谷野外音楽堂 出発イベント 各界から豪華ゲストが出演予定。銀座周辺をパレード

▼アースパレード京都
 日時 11月29日(日)午後1時集合 場所 円山公園

(新聞「農民」2015.10.26付)
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2015年10月

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