GMナタネ長期自生の影響は?
食農市民ネット 調査報告集会
交雑体が大いに繁殖
遺伝子組み換え(GM)ナタネ自生調査の報告集会「農作物に迫る遺伝子汚染〜遺伝子組み換えナタネ長期自生の影響を考える〜」が9月8日、参院議員会館で開かれました。主催は、「食と農から生物多様性を考える市民ネットワーク」(食農市民ネット)。
京都学園大学の金川貴博教授が「遺伝子組み換えナタネのDNA検査でみえてきたもの」のテーマで基調講演しました。
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集会で講演する金川教授 |
金川教授は、GMナタネと交雑しやすい植物や交雑の現状、セイヨウナタネとの近縁種などについて説明し、「輸出元であるカナダでもGMナタネと雑草化したカブ・ハクサイ類との交雑体が発見されており、除草剤が散布されていない場所でも、6年以上にわたって除草剤耐性遺伝子が代を重ねて植物中に生き残っていることが報告されている。この交雑体が大いに繁殖することになる」と警鐘を鳴らしました。
安全の確認は実験でこそ
さらに「GMナタネと交雑したカブ・ハクサイ類は食べても大丈夫か」と問題提起し、交雑植物の安全性について「カブ・ハクサイ類との自然界での交雑体は、安全性未審査の植物であり、食品としての流通は許されない。生体内では多くの化学反応が行われるため、安全かどうかは実験で確認しないとわからない。交雑植物の場合、同じ種の植物同士でも、違う種との交雑でも、安全性を個別に調べなければならない」と指摘しました。
最後に、遺伝子の拡散を防ぐために、こぼれ落ちた遺伝子組み換え植物を除去する必要とともに、「官民あげての対策が求められる」と述べました。
その後、市民団体・グループによる自生調査の報告、農水・環境両省との意見交換が行われました。
(新聞「農民」2015.10.5付)
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