福岡・うきは
台風15号直撃で果樹大被害
〈梨〉
新興・新高は50%落果「あきづき」ほぼ全滅
富有柿も傷果多い
糸島農民組合から落果梨販売の話も
西日本を縦断した大型台風15号で、ここフルーツの里、福岡県うきは市では、果樹農家を中心に、大きな被害が出ています。
みのう農民組合書記長の佐々木督文さんは、桃、梨、ぶどう、柿などを150アールほど栽培しています。佐々木さんは「台風直撃は5年ぶりくらい。この時期での台風直撃は珍しく、落果、落葉が多かった。梨の豊水や桃の収穫は終わっていたが、新興・新高(梨)は50%くらい落果してしまった」と言います。
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落果した梨が一面に広がっています |
今年初めて植えた「あきづき」という梨50本も、ほぼ全滅してしまいました。富有柿も傷果が多く、また、落葉による生育不良が今後心配されています。「晩生種での被害が多く、がっかりして拾うこともなく、乗用草刈り機で処分してしまった農家もいる。自然相手とはいえ、厳しいものだ」と、佐々木さん。
そこで、新日本婦人の会の方たちに声をかけ、「拾い隊」をつのり、落果したブドウや梨を拾いに行きました。落ちたとはいえ、地面がふわふわで、ほとんど傷はありませんでした。「あきづき」にしても、今から熟れるところで大きさこそ小ぶりでしたが、味はすでに甘くジューシー。そのほか、桃、ぶどうなども全然そん色ないほどでした。「全部持って帰っていい」ということで、一生懸命拾いましたが、それでも拾いきれず、「もったいないね、かわいそう」と言いながら、果樹畑を後にしました。
しかし、福岡県農民連の仲間の糸島農民組合からは、落果梨の販売の話をいただき、新婦人県本部や、エフコープからはお見舞いの電話をいただき、ありがたく思うと同時に、とても元気づけられています。
(福岡・みのう農民組合 金子徳子)
(新聞「農民」2015.9.14付)
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