米屋さんと生産者をつなぐ交流会米価暴落に負けないで
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米価をめぐる情勢報告に熱心に耳を傾ける参加者 |
産地からの報告では、「お盆までは天候に恵まれた。穂数も平年より多い」(秋田)、「梅雨入りしてから雨が降らなかったが、生育は早い。早い稲刈りになる。近年、雪が少なく、越冬する虫が増え、カメムシ対策は重要」(山形)などの状況が出されました。
日本の伝統食を考える会東京連絡会の栗原澄子さんが発言し、「お米屋さんとつながろうという企画を行い、お米のことを学んでいます。お米屋さんはお米のことをどんどん発信してほしいし、消費者はお米に関心をもち、食べる量を増やし、日本の農業を守っていきたい」と語りました。
会場のあちこちで生産者とお米屋さんが交流する姿がみられました |
閉会あいさつにたった農民連の吉川利明事務局長は、「米価暴落は生産者だけの問題ではなく、消費者、米屋さん、流通業者も含めた国民的な課題。戦争法案廃案のたたかいで安倍内閣を追いつめるなかで、農政の転換を求めていきましょう」と訴えました。
仕入れが多岐にわたるなかで、仕入れ先の一つとして、随分前からこの交流会に参加させていただいています。顔の見える関係が感じられるのがいいですね。取引にもつながっています。
福島の米は原発事故がありましたが、きちんと検査もされており、業務用を中心に積極的に仕入れています。確かに懸念を持たれるお客さんもいますが、ちゃんと説明して、一度食べてもらえれば安全でおいしいお米だとわかってもらえます。
何年か前まではそれほどではありませんでしたが、2014年産以降は量販店などとの価格差が本当に広がって、非常に売りづらい状況です。うちはとくに低価格の米の売れ行きが悪くなっています。逆に比較的高い価格帯の米はそれほど減っていません。
東京都渋谷の住宅街で米屋を創業して85年。私が3代目です。いずれは僕でおしまいかと思っていたところに、息子が今年、4代目を継いでくれました。本当にうれしかったです。
米価は下がっていますが、利益は3割しっかり取る“超強気”な商売で、24種類の米を1キロから扱っています。お客さんにちゃんと説明をして、やはり大切なのは信頼関係ですね。ここ2〜3年、子育て世代の若いお客さんが増えて、まだまだ面白い、新しい試みができそうです。
商売からすると約6割を占める大口の業務用も増やしていきたいのですが、基本はやはり4割の店頭販売。店頭でのお客さんとのやりとりが、もう生きがいですね。だから、生産者に会えるこの交流会には、どうしても息子を連れて来たかったのです。
父の背中を見ていて、いまうちの店では魅力的な銘柄も取りそろえることができていますし、店も新しくして、お客さんも増えているのに、これで終わらせるのも忍びないと、今年3月に20年続けた勤めを退職し、店を継ぐことにしました。
うちは、ゆめぴりか、佐渡のコシヒカリ、つや姫など銘柄米がよく売れます。米をつくるにも、やはりブランド化できるような物語というか、セールスポイントを考えることが必要だと思います。それから、一番は、やはりおいしいこと。イメージがよくてもおいしくなかったら、すぐに売れなくなりますから。
[2015年9月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
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