戦争法案阻止かかげ
矢臼別演習場(北海道)反対
平和盆おどり
食糧つくる農業は平和な産業
農民こそ平和運動の担い手に
8月8日、北海道別海町矢臼別演習場に囲まれた平和碑前広場で、「第51回平和盆おどり」が行われました。
1964年に自衛隊矢臼別演習場設置に反対し、農地の買収を拒否して演習場深くに踏みとどまったのが杉野芳夫さん、川瀬氾二さんの2家族でした。その翌年の8月に平和碑を建立し、たたかう矢臼別の農民を励ますために、「第1回矢臼別平和盆おどり大会」が開催されました。
51回目の今年は、「『オール沖縄』とともにたたかい『戦争立法』を阻止しよう」を合言葉に開かれました。前夜祭を含めのべ500人を超える参加者があり、戦争法案反対のうちわや行燈(あんどん)を掲げ、踊りの輪が大きく広がりました。
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平和盆おどりで原水禁世界大会の報告をする高校生(中央) |
前夜祭は、大会準備のために集まってくれた設営隊の人たちを慰労しようと、別海町農民組合が焼肉交流を主催。80人を超える参加者があり、用意した30キロのラム肉がきれいに胃袋におさめられました。
「原爆展」ひらき世界大会へ代表
別海町では、地域の農民組合、新日本婦人の会、教職員組合、平和委員会、共産党などで構成する「平和と革新を求める連絡会」が、様々な要求に基づきながら、共同して運動を進めています。
先日も22回目となる「原爆写真展」を開きました。取り組みの中で「原水禁世界大会に代表を派遣しよう」ということになり、矢臼別の平和盆おどり大会や平和もちつき大会に、幼少の頃から両親とともに参加してきた高校生が、自ら参加を申し出てくれました。派遣費用として30万円のカンパを呼びかけたところ超過達成し、無事に送り出すことができました。
世界大会に参加して帰ってきた2人は、さっそく平和盆踊り大会で、広島で見聞きしたことや感じたことをしっかりと報告してくれました。
「戦争法」反対の署名・宣伝行動
また木曜日の定例行動として「戦争法」反対の宣伝・署名行動も行っています。役場庁舎前や農協前、生協店舗やスーパーの前、さらに放課後に別海高校の門前でも行っています。この宣伝行動は、すべて店舗管理者や役場、農協、学校側が快く許可をしてくれたもので、「戦争法」についての理解が一般にも広がりつつあることを実感しています。
高校門前では、男子生徒の一人が「卒業後は自衛隊に入るつもりだ。だから戦争法案は困る」と署名してくれました。
低投入・持続型の酪農を実践
北海道有数の酪農地帯である別海では今、アベノミクス農政の先取りともいえる酪農経営の法人化が進められ、さらなる規模拡大に向かっています。しかし、大型経営ほど赤字になる危険があることは、農協の資料によっても明らかになってきています。大型経営は輸入穀物に依存しているため、常に不安定な状態に置かれることになるからです。
こうしたなかで根室・釧路地方の農民組合員は、できるだけ自給飼料で生産しようと呼びかけ、実践しています。資材を大量に投入して生産を増やさなくても、現状の規模のままでも、経営は安定することを実践的に証明してきました。このような「低投入・持続型」の酪農経営のあり方に、最近は、農協の指導者の中にも理解を示す人が出てきています。
国民の食糧をつくる農業は平和な産業です。私は「農民こそ平和運動の担い手としてふさわしい」との思いで活動しています。「戦争法」廃案に向け、より幅広い運動になるよう、がんばっていく決意を固めています。
(北海道・別海町農民組合 森高哲夫)
(新聞「農民」2015.8.31付)
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