「農民」記事データベース20150824-1178-09

“子どもたちのためにも
戦争考えるいい機会に”

関連/町の戦争記録出版と戦死者パネル作成


終戦記念の日に「戦争展」

福島・二本松・原セ地域で開く

 福島県二本松市原セ地区の「戦争(いくさ)展」が終戦記念の日の8月15日に、市内原セ直売所で開かれ、親子連れなど100人を超える参加者が集いました。

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展示品に見入る参加者

 午前中に「追悼のつどい」が行われたほか、戦争当時の物品の展示や戦争体験の証言を記録したDVD上映などが注目を集めていました。

 つどいでは、戦没者追悼のおはらいに続き、主催者を代表して、石川晃雄さんが「今日参加された方々が戦争反対への思いを共有して次世代に引き継いでいきたい」とあいさつしました。

 地元の市議、区長の来賓あいさつの後、戦没者遺族からの話がありました。父をガダルカナル島で亡くしたという高宮ハツノさん(75)は、「26歳の若い命の芽をもぎとられてしまった父、さびしく切ない人生を送らざるをえなかった母のこと思うと、無念の一言に尽きない。また、テレビで戦争の恐ろしさを同年代の方々の証言で知り、なぜこんなになる前に戦争を避けられなかったのかと強い憤りと情けなさを感じている」と切々と語りました。

 安田壽男さん(83)は、「子どもたちのためにも戦争をしないために何をすべきかを考えるよい機会です。戦争展がその役に立てば」と述べました。

 会場内では、展示品を親子でじっくり見入る姿もありました。参加者からは「遺族の情報がないか探しにきた」「戦争について考えるいい機会だった」などの感想が寄せられました。


町の戦争記録出版と戦死者パネル作成

埼玉・上里町

戦争法案廃案へ貴重な取り組み

 埼玉県児玉郡上里町で戦後50年に戦争体験記の出版と町の戦死者を記録したパネルが作られ、上里町戦後50周年記念誌『私の戦争体験―語りつぐ繰りかえさないために―』には「国内編」で106人、「海外編」で32人の手記が寄せられました。

 「海外編」には、埼玉農民連上里支部長・野本家六さん(94)による、日中戦争での参戦、長沙作戦で銃弾を浴び、蒋介石軍の捕虜となった体験記が世界平和への願いとともに記されています。

 戦死者パネルには、外地での400人の死者の氏名と年齢・死亡戦地がベニヤ2枚分の地図に描かれています。

 戦死者パネルを自作した吉田靖氏(89)は、戦争法案とのたたかいに子どもも参加できるアニメ上映など、わかかりやすい催しの実施を提案するなど積極的です。

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戦死者パネルとともに立つ吉田さん

 8月24日には、本庄・児玉地域(1市3町)の「戦争NO! 戦争法案を廃案に!」の集会とデモ行進が行われ、それを機に実行委員会を結成し、多彩な運動と宣伝行動を展開していきます。

(埼玉農民連 立石昌義)

(新聞「農民」2015.8.24付)
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2015年8月

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