石川農民連事務局長
西 忠恭さんを偲んで
石川農民連会長 宮岸美則
石川農民連の西忠恭事務局長が、6月8日に急逝されて2カ月が過ぎました。
あまりにも突然の逝去に、いまでも信じられない思いです。大阪での新日本婦人の会との産直交流会に参加して元気に帰り、その翌日に体調不良で緊急入院し、そのまま帰らぬ人となりました。
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2012年の農民連全国委員会で発言する西さん |
当初からお米産直に
西さんは、1991年に農民連の運動に参加し、92年からの石川新婦人とのお米産直を本格的に始めたときから事務局長としてその中心に座りました。93年の米パニックで「やっぱり食べたい日本のお米」の強い願いを受け、農民連本部の支援を受けて、大阪新婦人とのお米産直を始めました。
95年に能美市辰口に、農事組合法人アイ・ケイを立ち上げ、乾燥籾摺(もみす)り、精米のセンターを作り、その中に農民連事務所を設置し、本格的に産直を始めました。事務局長として会員と協力して、農薬の使用を減らし、化学肥料の割合を減らして有機肥料を使った栽培の取り組みを広め、安全でおいしい米作りで、新婦人産直米への参加を呼びかけて、農民連の仲間を増やしてきました。
新婦人との産直を広めるための学習会に石川県内各地を飛び回り、田植え交流会、稲刈り交流会、収穫祭を毎年行い、楽しく交流をしてきました。米から始めた産直は、野菜ボックス、大豆みそ・しょうゆ、豚肉産直へと中身も広めてきました。
石川の活動定着させ
税金相談会、有機栽培の講習会を開催し、米作り相談で会員も増やしてきました。農民連ふるさとネットワークの呼びかけで準産直米でのお米屋さんとの取引を広げてきました。
2011年3月の、東日本大震災と福島第一原発の事故に際しては、支援活動と現地への激励にかけつけました。TPP反対の県連絡会活動など、20数年の石川農民連の活動を作り上げ、定着させてきました。また、次の世代の後継者の育成にも取り組んできました。
米価暴落と農業・農協「改革」での農業をめぐる状況は、激動のときを迎えています。TPP交渉の行方が重要局面を迎えています。さらに「戦争する国づくり」をめざす安倍内閣の暴走をストップさせるたたかいが、日本全国で盛り上がっているこの最中に、西さんを失ったのは実に大きな損失です。
さらなる発展めざし
農民連会員をはじめ、多くの方々からご心配の声、激励の言葉をかけていただきありがとうございます。石川農民連の総力を結集してこの難局を乗り切っていきたいと思います。ぜひとも皆様のこれまで以上のご支援とご協力をお願いいたします。
西さんの築いてきた素晴らしい業績を偲ぶとともに、石川農民連のさらなる発展をめざしてがんばっていきたいと思います。
西さんのめい福を心よりお祈りいたします。
(新聞「農民」2015.8.24付)
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